稿本・清書本・校正刷り

写本のうち、著者自身が製作に関わったものは特定の名称で呼ばれる場合があり、ここではそれについて例をあげて解説します。

稿本

古今要覧稿

古今要覧稿

稿本こうほん

著作の完成途上にある下書き本です。何段階かに分かれる場合、それぞれ初稿本・再稿本・三稿本……と言います。

清書本

古今要覧稿

古今要覧稿

清書本せいしょぼん

稿本に基づいて清書した本です。定稿本と一致する場合も多いですが、中間段階でいったん清書した本もあります。また、著者の依頼で別人が清書することがあります。

定稿本

定稿本ていこうぼん

著者がその著作の完成と考えた本です。著者によってそのことが記されていない場合、判断が難しいこともあります。

校正刷り

國史略

國史略

校正刷りこうせいずり

活字を組んだ版や彫った版木で試し刷りをしたものに、著者などが訂正の指示を加えた校正刷りが、稀に伝存しています。実際に出版された本とともに展示します。