所蔵者情報

和書には、所蔵者が印を捺したり、署名を記すことがしばしばあります。これらは、その本がどこで写されたか、またどのように伝わって来たかを知るための重要な手掛かりとなります。

所蔵署名

和点類集

和点類集

所蔵署名しょぞうしょめい

所蔵者が、その所蔵であることを示すために本に記した署名です。

蓮体(1663~1726)は、真言宗安祥寺流の学僧。『真言礦石集』『観音冥応集』などの近世仏教説話集の編著でも知られる。

蔵書印

続高僧伝、延文百首、大鏡

左から、続高僧伝*石山寺の蔵書印
延文百首*脇坂安元の蔵書印
大鏡*田安家の蔵書印

蔵書印ぞうしょいん

所蔵者が、その所蔵であることを示すために本に捺した印です。同じ所蔵者が複数の蔵書印を使用することも珍しくありません。

延文百首
冊初の「八雲軒」、冊末の「藤亨」「安元」は、好学の大名脇坂安元(1584~1653)の蔵書印。

蔵書票

蔵書票ぞうしょひょう

所蔵者が、その所蔵であることを示すために本に貼った紙片です。あまり古い時代には見られません。