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ないじぇるクリエイティブ会議 -古典のミライにアイデアを!

ないじぇる[動詞]

古典籍に新たな光をあて、世の中にひらき、皆で手を携え創造的な活動へと向かうこと。(ミライの国語辞典より)

漆芸、油絵、アニメーション、翻訳──アート・外国語とコテンセキとの一期一会を大公開!
古典をミライへつなぐため、あなたならどんな魔法をかけますか?

「古典文学」──長い年月を経ても、価値を持ったゆるぎないもの。
この言葉を耳にしただけで、なんだか敬して遠ざけたくなるような気になりませんか?

もちろん、『源氏物語』『古今和歌集』などは「古典」を支える屋台骨。でも、それらは一部の特権階級の独占物ではないはず。一度そうした大古典としてのヨロイを脱ぎ捨て、もう少し敷居を低く(バリアフリー化)できないものでしょうか。

一方、その大古典の頂(いただき)の裾野には、「小古典」が星の数ほど広がっています。いまの目から見るとかえって新鮮な、そうした普段着のような「古典」にはどこにいけば出会えるのでしょう。

この10年ほどの間に急速に拡大した膨大な古典のデジタル画像を前に、研究者もいわばコンシェルジュのような役割が求められています。

そんな中、他分野の人たちとも手を携えて、ともすれば力みがちな「古典」をめぐるあれこれに、少しだけ肩の力を抜いてアプローチし、それを新たな発見の呼び水とする様々な実践が行われています。

「ないじぇる芸術共創ラボ」(略称:ないじぇる)は、このような思いのもと、国文学研究資料館(NIJL)で立ち上げられた斬新なプログラムです。このラボでは、さまざまな分野で活躍するクリエーターたちと研究者が、ともに古典籍の魅力を探求してきました。その過程で培った経験と成果をここで思いっきり開放し、参加者のみなさんと一緒に古典のミライをつくるヒントをさがす、それがこのオンライン会議です!

日時 1218日(日)13:00~16:00 (12:50開室)(JST)
場所 Zoomウェビナー及びYouTubeライブ配信
参加費 無料
申込み方法 事前登録をお願いいたします。
下記「参加申込フォームはこちら」ボタンをクリックして、お申し込みください。
プログラム
13:00~14:20

第一部 アートと翻訳で探索した古典の可能性

<<プレゼンター>>

  • ◇小山順子(京都女子大学教授)

    創作と研究の架橋ーないじぇる芸術共創ラボの始発から今までを振り返るー

  • ◇染谷聡(漆芸家、国文学研究資料館 アーティスト・イン・レジデンス)

    風景の宛先

  • ◇谷原菜摘子(画家、国文学研究資料館 アーティスト・イン・レジデンス)

    接続される物語

  • ◇片渕須直(アニメーション映画監督、国文学研究資料館  アーティスト・イン・レジデンス)

    『枕草子』の時代に散りばめられた『映画』の可能性

  • ◇毛丹青(翻訳家、国文学研究資料館 トランスレーター・イン・レジデンス)

    翻訳に見えるもの、見えないもの

14:20~14:30

―休憩― 

14:30~15:30

第二部 クリエーターと研究者に聞く:新たな地平をひらくために

<<コメンテーター>>

  • ◇山中悠希 (東洋大学准教授)
  • ◇齋藤真麻理 (国文学研究資料館教授) 

モデレーター:木越俊介(国文学研究資料館准教授)

15:30~16:00

第三部 あなたのアイデアを大募集

総合司会:黄昱(国文学研究資料館特任助教、古典インタプリタ)

*終了後のアンケートで、古典籍の新しい利活用法について、お一人ひとつのアイデアをお寄せください。実現可能性は問いません!

参加申込フォームはこちら

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登壇者

プレゼンター

小山こやま 順子じゅんこ

(京都女子大学教授)

京都大学大学院博士課程修了。博士(文学)。専門は新古今時代を中心とした古典和歌。天理大学講師・准教授、国文学研究資料館准教授を経て現職。著書『藤原良経』(笠間書院、2011年)、『和歌のアルバム 藤原俊成 詠む・編む・変える』(平凡社、2017年)。

和歌研究者の視点から、AIR・TIRとともに和歌の解釈を考え、美術・工芸品の意匠の背後に潜む文学的思考を読み解くワークショップを重ね、ないじぇる芸術共創ラボ設立当初から、クリエーターたちに伴走してきたお一人です。
研究者とクリエーターたちとの交流によって生まれた数々のひらめきについて綴られたないじぇるリポートを、是非ご覧ください。

染谷そめや さとし

(美術家/漆芸、アーティスト・イン・レジデンス(AIR))

2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士号(美術)取得。2015年京都市芸術新人賞受賞。
日本文化における「飾り」や「遊び」といった趣向に関心があり、漆の装飾技法や意匠を糸口とした作品制作や調査を行う。
最近の展示に、「根の力」(大阪日本民芸館、2021年)、「札幌国際芸術祭2020特別編」(北海道立近代美術館想定、2020年)、「DISPLAY」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、2020年)などがある。

【ないじぇるでの活動】
日本文化における「飾り」や「遊び」といった遊戯的思考についてより深く考えたい、この思いからないじぇるに参加した染谷氏は、古典と漆芸との共通点として、「縮景」と「写し」という、二つのキーワードにたどり着きました。持ち運べない景色をコラージュし、縮めることで、パーソナルな品物にして楽しむ趣向を古典文学から見出し、景色を飾る「器」として新たな作品を展開しています。

谷原たにはら 菜摘子なつこ

(画家、アーティスト・イン・レジデンス(AIR))

2021年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程美術専攻(絵画)修了。2015年第7回絹谷幸二賞、2015年京展・京都市美術館賞、2016年VOCA奨励賞、2018年京都市芸術新人賞、2021年京都府文化賞奨励賞、2022年咲くやこの花賞などを受賞。
黒や赤のベルベットを支持体に、油彩やアクリルのほかにグリッターやスパンコール、金属粉なども駆使し、「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く。
2017年五島記念文化賞新人賞を受賞し、2017年秋〜2018年秋の1年間、五島記念文化財団助成によりフランス・パリへ研修滞在。現在は帰国し、関西を拠点に制作活動を行なっている。

【ないじぇるでの活動】
絵を描く前に、自身の記憶、民話や神話、さらには現代社会の問題を反映させた独自の物語を創り、それらを起点として作品を制作している谷原氏は、古典文学に描かれた多種多様な物語に出会い、古典を自身の世界観で再解釈・再構築することをとおして、現代の我々の心にも通じる、闇と光が共存する不思議な表現世界を創り上げました。

片渕かたぶち 須直すなお

(アニメーション映画監督・脚本家、アーティスト・イン・レジデンス(AIR))

アニメーション映画監督。日本大学芸術学部特任教授・上席研究員。代表作『名犬ラッシー』(96)、『BLACK LAGOON』(06)、長編『アリーテ姫』(01)、『マイマイ新子と千年の魔法』(09)、『この世界の片隅に』(16)、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(19)など多数。現在、疫病の中に生きる千年前の人々を描く次回作を制作中。

【ないじぇるでの活動】
作品制作にあたり、歴史的な背景を徹底的に調べて日常生活の機微にこだわる片渕氏は、『枕草子』を題材にした新作アニメ映画に取り組んでいます。できるだけその時代を忠実に再現することは、当時の人々の想いと向き合い、今の時代を再認識することにも繋がると語る片渕氏は、ないじぇるでさまざまな分野の研究者と議論を重ね、清少納言が生きた、平安という時代に迫ろうとしています。

まお 丹青たんせい

(翻訳家、トランスレーター・イン・レジデンス(TIR))

北京大学卒業後、中国社会科学院哲学研究所に入所。25歳で三重大学に留学し、後に商社勤務などを経て執筆活動を開始。2000年、日本での生活体験を綴った『にっぽん虫の眼紀行』(法藏館・文藝春秋〈文春文庫〉)で第28回神戸っ子ブルーメール文学賞を受賞。中国語の著作も多く、日中双方の文壇で活躍している。中国語翻訳書には『歎異抄』や『出家とその弟子』など多数、2017年神戸市文化奨励賞受賞。現在、神戸国際大学教授。専門は日本社会文化論、現代中国文学とメディア。

【ないじぇるでの活動】
SDGsが盛んに議論されている今、毛氏は江戸時代の先進性に注目しています。ないじぇるで勝海舟の父、勝小吉の日記『夢酔独言』を中国語に翻訳するなか、研究者とともにこの本が書かれ、読み継がれてきたそのエネルギー源を掘り下げました。幕末頽唐期を生き抜いた小吉の豊かな人間性や強い精神性、そして当時の社会風土を読者に提示することをとおして、毛氏は日本の近代化という大きな問題を再考する契機を作り出そうとしています。

コメンテーター

山中やまなか 悠希ゆき

(東洋大学准教授)

専門は平安文学、『枕草子』本文の研究。著書・論文等に『堺本枕草子の研究』(武蔵野書院、 2016)、「『枕草子』における女房としての「身」と「心」―「村上の先帝の御時に」の段の検討を通して―」(寺田澄江・陣野英則・木村朗子編『身と心の位相 源氏物語を起点として』青簡舎、 2021)など多数。
ないじぇるアートトーク「『枕草子』に書かれた以上に清少納言や中宮定子を知りたいあなたに」

齋藤さいとう 真麻理まおり

(国文学研究資料館教授)

専門は中世日本文学。とくに室町時代から江戸時代前期の絵巻や絵本に関心を持ち、室町物語(御伽草子)などの本文と挿絵を読み解き、その文学圏や時代性を研究している。著書に『異類の歌合室町の機智と学芸』(吉川弘文館、2014年)、『妖怪たちの秘密基地 つくもがみの時空』(平凡社ブックレット、2022年)など。

コラム

「古典のミライにアイデアを!
    ──ないじぇるクリエイティブ会議開催に寄せて」

 日本の古典文学-それがいまの世の中でどのようなイメージをもたれているのか、えてして関わっている当事者には一番見えづらい。しかしさすがに、よく読まれているとか、盛況だといった声はどう耳をこらしても聞こえてこない。新刊書店の日本古典の棚からは息づかいや勢いが感じられず、なんとなくシャッター商店街然とくたびれているように映ってしまうし、配架してくれるのならまだしも、どんどん縮小、消滅の危機にある。昭和の古典評論華やかなりし時代とも状況が全く違う。

 古典、クラシック、スタンダード。ある意味、不動の地位にあり普遍的な価値をもつと信じられている作品には、常連のファンは多い。しかし、一見様お断りとお高くとまっている場合ではないし、「大古典」そのものにも新陳代謝は必要だろう。海外文学に目を向ければ、「新訳」という方法で息を吹き返すどころか、新しい命を吹き込まれている作品も数多くある。また、新旧の多様な作品が積極的に紹介されたことで、新しいファンを開拓した韓国文学などの例もある。日本古典はオワコンだなどといって自虐的なポーズをとる前に、やることはまだたくさんあるはず。

 そうした危機意識とともに、古典文学を元気づけようとするさまざまな試みがなされている。ただ、一応「日本語」で書かれているがゆえに、かえって近そうで遠いもの、分かりそうで分からないもの、というなんとも微妙な立ち位置にありはしないか。まずは原点に立ち返って、人々に古典に目を向け、興味をもってもらうきっかけづくりからはじめる必要があるだろう。

 研究者が日本の古典を取り巻く話をすると、いかんせんストイックになりがちである。 総じて研究者はそういう体質をもっているものだが、それがかえって自分たちの身動きをとりにくくしている。雑誌やネット上のライターのように、もっと自由に、軽やかに対象を愛でながら魅力を伝える方法やツールを編み出せないものだろうか。研究者個人と話すと、古典が好きになったきっかけはみんなささいな、それぞれ等身大のものなのに。

 国文学研究資料館(NIJL)は2017年に「ないじぇる芸術共創ラボ」(略称:ないじぇる)なるプログラムをたちあげ、さまざまな分野で活躍するクリエーター、翻訳家たちと研究者が、ワークショップをとおしてともに古典籍の魅力を探求してきた。今回は特に、この10年ほどの間に急速に拡大した膨大な古典のデジタル画像の活用法をケーススタディとして提示したい。とはいえ、いきなりナマに近いものをそのまま差し出されても、多くの人は巨大な迷路の中に迷ってしまうだろう。そこで、これからの研究者はいわばコンシェルジュのような役割が求められる。そして、そこには五等星、六等星のような、人目につきにくいけどキラリと光る「小古典」も点在している。
 本会議は、「ないじぇる」の第2期(2021年度~)の過程で培った経験と成果を余すところなく開放し、参加者のみなさんと一緒に古典のミライをつくるヒントをさがすために開催するものである。

国文学研究資料館准教授 木越俊介

 国文学研究資料館は、東京都立川市にある国立研究機関。略して「国文研(こくぶんけん)」、またの名をNIJL。 半世紀にわたり、明治時代よりも前に日本で「作られた本」を調査、収集しているところです。「作られた本」と書いたのは、印刷されたものだけではなく、人の手によって写されたものも多くあるからです。国文研ではこれらを「古典籍」と呼んでいます。
 ひとくちに古典籍と言ってもその内容は様々です。
 『源氏物語』『百人一首』といったいわゆる“文学”だけではなく、旅行、医学、料理、デザインなど、さまざまなものがあります。ひとつひとつの「本」に、文字や絵で、わたしたちの祖先の知恵や教訓が、あるいは普遍的な欲求や不安、哀しみ、歓び、生と死がつづられています。また、それぞれの「本」が、大切に受け継がれ、もしくは波乱万丈な道のりを経て、国文研までやってきた「物語」も背負っているのです。
 国文研は、国内外の各地に存在する古典籍を広く求め、調査をし、1点ずつ全文撮影を行った上で、その調査結果やデータを公開すること、そしてその成果を活用した共同研究を行うことをミッションとしています。 国文研がさまざまな機関の協力のもとで構築する「新日本古典籍総合データベース」は、国内外に所蔵される古典籍の情報や、その高精細画像を検索・閲覧できる無料のポータルサイトです。Web 環境さえあれば、研究者のみならず、どなたでも、どこからでもアクセスすることができます。

 ないじぇる芸術共創ラボは、正式名称を「ないじぇる芸術共創ラボ アートと翻訳による日本文学探索イニシアチブ」(NIJL Arts Initiative:Innovation through the Legacy of Japanese Literature)といいます。アーティスト・イン・レジデンス(AIR)として各分野の芸術家を、トランスレーター・イン・レジデンス(TIR)として日本語を母国語としない翻訳家を招へいし、研究者とともにワークショップを重ね、新たな文化芸術を共創するプログラムです。

ご参加にあたっての注意事項

  • ・イベントの様子を収録し、編集のうえ後日当館YouTubeチャンネルから公開いたしますのでご了承ください。
  • ・本イベントへの反社会的勢力の参加はお断りいたします。
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