勇魚捕 (いさなとり)
2010/5/ 1
【解題】
仮製本 2冊 22.3×14.8
明治44(1911)年6月刊[当館請求記号 ヒ4-767]
幸田露伴(1867~1947)の小説。伊豆の下田に生まれた彦右衛門が血気にまかせて故郷を飛び出し上方から西国へと遍歴した半生の激動が、明治と時代が移り穏やかな後半生を過ごす彦右衛門の回想の形式で語られる。玄界灘に面した生月島へ辿りついた彦右衛門が、島の漁師たちとともに鯨を捕る勇壮な場面がある。露伴が生月島で作られた『勇魚取絵詞』を見たことがきっかけとなって書かれた作品。青木嵩山堂刊。第七版。