歌仙大和絵抄 (かせんやまとえしょう)
2010/1/ 1
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【解題】
大本一冊。25.3×18.9cm[当館請求記号 ナ2-527]
三十六歌仙の絵を伴った注釈書、いわゆる絵抄。序に、「此三十六歌仙は四条大納言いにしへの名人をあけて。ゑらまれし也。いまあらたに。歌の心を。絵にあらはして。(略)誠に此道のたからのやまと抄といはんもむへなり」とある通り、歌仙絵に、歌意を絵画化し、注文を付加した、いわゆる絵抄を取り合わせた体裁である。歌仙絵および和歌本文の丁と、絵抄の丁とが交互に位置し、各自見開きで、同じ歌について、歌仙絵と絵抄を同時に見ることができる仕組みとなっている。
和歌本文は、光悦の書風を倣ったものであり、序文も光悦の流儀で書いている。一方、歌仙絵自体は、略画化が進んでおり、「光悦三十六歌仙」などとは姿態そのものも異なる。画工は当世風を交え描いており、それが師宣風であることから、歌仙絵も師宣もしくはその工房作と考えたい。注文は略伝一行と、注釈からなり、注釈の末尾には、書き換え歌一首が記される。