源氏物語画帖 (げんじものがたりがじょう)
2008/6/ 1
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【解題】
[請求記号 ヤ8-277]
[平成19年度新収資料]
源氏絵11枚を貼った画帖である。
1;桐壺、2;空蝉、3;夕顔、4;紅葉賀、5;須磨、6;花散里、7;花宴、8;若紫、9;末摘花、10;葵、11;榊、の順で貼られている。(1図と2図の間に空白丁あり)
もともとは54枚(もしくは60枚)セットの源氏絵だったとおぼしいが、別れてしまい、後に、残存するもののみを画帖に貼った、と推定される。褪色が目立つのが惜しまれる。
11枚の構図は、多く、個人蔵土佐光起筆『源氏物語画帖』(『豪華源氏絵の世界』掲載)や徳川美術館蔵土佐光則筆『源氏物語画帖』のそれに近似する。根津美術館蔵伝土佐光則筆『源氏物語画帖』に近似するものもある。土佐派の粉本を用いて制作された、江戸前期~中期の源氏絵と考えられようか。
画像1枚目右は「葵〈あおい〉」巻。葵祭に臨み、光源氏が紫の上の髪上げをおこなう場面。碁盤の上に立っているのが紫の上。画像1枚目左は「榊〈さかき〉」巻。朝顔の姫君が、光源氏からの文に返事を書く場面か?庭には秋草。画像2枚目右は「若紫〈わかむらさき〉」巻。光源氏が、北山の尼君を訪ねた場面か?外には桜と山川。画像2枚目左は「末摘花〈すえつむはな〉」巻。光源氏が、末摘花の住む荒廃した常陸宮邸を訪ねた場面。