村田春海書簡+賀茂真淵詠草 (むらたはるみしょかん+かものまぶちえいそう)
2007/9/ 1
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【解題】
[請求記号 ヨ6・6]
一軸
村田春海(1746-1811/江戸中後期の国学者・歌人)の書簡と、賀茂真淵(1697-1769/江戸中期の国学者・歌人)の和歌一首を、合装したもの。いずれも自筆と認められる。
春海の書簡(画像左)は、19.6×39.3センチの巻き紙。宛名の「節之」は、加藤千蔭〈かとうちかげ〉『香とりの日記』等に所見の、寺井(橋本)節之のことであろう。節之は、上総海上の富商で、舟で江戸との間を往来した。
書簡の年次は未詳。書簡の内容は、真淵の遺墨(和歌一首)を表装して贈るというもの。真淵の和歌(画像右)は、21.2×6.3センチ、墨罫4行の零墨。
歌稿を切断した一片と見られるが、歌2行と、真淵の署名をしたためた2行とは、紙継ぎの跡と筆勢から推して、別々の紙を継ぎ合わせたものと推定される。この「しら雪の...」の歌は、村田春海編『賀茂翁家集』にも収められる、真淵の代表作の一つ。