くずし字って何?
これは、明治十八年(一八八五)の活字で書かれた「いろは歌」です。
右上から読んでみましょう。
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす
あれ?......「うゐのおくやま けふこえて」の「お」と「え」が、なんだか違う字になっています。
どうして「お」も「え」も、どうしてこんな字で書かれているのでしょうか?
そして、この字をどうすれば「お」「え」と読めるのでしょうか?
今は、「あ」も「い」も平仮名はこの1種類だけです。
けれど昔は、「あ」は「安」だけではなく「阿」「愛」
「い」は「以」だけではなく「移」「意」
など、何種類もの平仮名がありました(変体仮名(へんたいがな)と呼んでいます)。
先ほどの「いろは歌」の「え」を見て下さい。
今使っている「え」は「衣」という漢字がもとです。
けれど先ほど使われていた「え」は、「江」という漢字をくずした字なのです。
もとになっている漢字(字母(じぼ)といいます)が違う字なので、形が全く違うのです。
また、もとは同じ漢字であっても、くずし方が違えば、まるで違う字のように見えます。
「お」のもとになっている漢字は、「於」です。
「いろは歌」の「お」も同じ「於」をもとにした平仮名ですが、漢字の形がよりはっきり残っているので、違う字のように見えるのです。
このように、昔は、今では使わなくなった字がたくさん使われていました。
だから、今の私たちには読みにくくなってしまったのです。
くずし字・変体仮名を読めるようになるには、よく使われる字母を覚える必要があります。
次の表などを参考にして、現在では使われていない平仮名にどのようなものがあるか、確認していきましょう。
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