大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館

『近世風俗文化学の形成 ―忍頂寺務草稿および旧蔵書とその周辺』

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『近世風俗文化学の形成 ―忍頂寺務草稿および旧蔵書とその周辺』
印刷・発行 : 平成24年3月31日
編集 : 「近世風俗文化学の形成―忍頂寺務草稿および旧蔵書とその周辺」プロジェクト
発行 : 大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国文学研究資料館
表紙、扉、口絵、目次

はじめに 飯倉洋一 (1)

Ⅰ 忍頂寺務 その人と著述
評伝・忍頂寺務 福田安典 (9)
忍頂寺務年譜データベース 福田安典・尾崎千佳・青田寿美編 (33) 
忍頂寺務氏の著作を集める 肥田晧三 (73)
増補改訂 忍頂寺務著述目録 肥田晧三・近衞典子編 (89)

Ⅱ シンポジウム
近世風俗文化学の形成―忍頂寺務と忍頂寺文庫・小野文庫― 
(96)
忍頂寺文庫の芸能資料―『女意亭有噺』を中心に― 武井協三 (97)
書簡資料から見る忍頂寺務 内田宗一 (107)
近世風俗文化学―忍頂寺務型モデルの提唱 福田安典 (132)
パネルディスカッション 飯倉洋一司会 (133)

Ⅲ 論文・報告
幕末期漢詩人忍頂寺聴松の交流―忍頂寺務旧蔵の来簡を中心に 鷲原知良 (147)
『近代歌謡考説』とその周辺 飯倉洋一 (159)
見立絵本『〔道化生花〕』について 高橋則子 (169)
神戸市立図書館蔵忍頂寺務旧蔵本について 川端咲子 (199)
成田山仏教図書館蔵忍頂寺務旧蔵本について 山本和明 (217)
淡路島調査報告 近衞典子 (231)
祖父・忍頂寺務と忍頂寺家資料 忍頂寺晃嗣 (239)

Ⅳ 資料紹介
小野文庫所蔵忍頂寺務宛書簡目録・解題(附・差出人氏名リスト) 内田宗一 (245)
忍頂寺文庫・小野文庫所蔵資料押捺蔵書印一覧
附・国文学研究資料館「蔵書印データベース」について
青田寿美 (467)

Ⅴ 資料翻刻
忍頂寺務自筆稿本
(514)
〔稿本〕『近代歌謡考説』 尾崎千佳・神明あさ子校訂 (515)
〔稿本〕『訪書雑録』 合山林太郎・山本悠子校訂 (595)

執筆者・協力者一覧、奥付、後ろ表紙

附録(CD-ROM) ( CD label, readme text)
忍頂寺務年譜データベース 青田寿美監修
小野文庫所蔵忍頂寺務宛書簡目録 内田宗一作成
忍頂寺文庫・小野文庫所蔵資料押捺蔵書印一覧 青田寿美作成 stampicon.gif (NIJL「蔵書印データベース」へ)




―― 以下、本報告書「はじめに」(飯倉洋一)より抜粋 ――

はじめに
本研究「近世風俗文化学の形成―忍頂寺務草稿および旧蔵書とその周辺」は、国文学研究資料館と大阪大学大学院文学研究科の研究連携事業である「忍頂寺文庫・小野文庫の研究」と密接に関わる。大阪大学附属図書館の忍頂寺文庫・小野文庫には歌謡研究家忍頂寺務(1886~1951)のコレクションおよび草稿の大部分が蔵されている。その目録の作成と文庫所蔵資料についての書誌的・注釈的研究が研究連携事業の大きな目的であった。それに対して本研究は、忍頂寺務の草稿と旧蔵書を主要な資料としつつも、明治末から昭和前期にかけての近世風俗文化研究が、どのように形成・展開したかということを、忍頂寺務というひとりの市井の近世風俗文化研究者(好事家)に即して考えていこうというものである。このことは、務の埋もれた業績を発掘・再評価することにも繋がり、近世風俗文化研究の新たな展開のための基礎研究という側面を有することになる。
三年間の共同研究を振り返ると、如上の狙いは一定は達成されたのではないかと自己評価している。その中でもスリリングであったのは、二年目の研究会で、忍頂寺務の実孫で嫡男であられる忍頂寺晃嗣氏をお招きできたこと、そして晃嗣氏が多数の貴重な新資料をもたらしてくださったことであった。この資料の出現は、結果として報告書の刊行を一年延期することを余儀なくしたが、晃嗣氏とそのご家族との触れ合いは、この共同研究を忘れられないものにしてくれたのである。...(略)...
最後に、2011年3月11日の東日本大震災では仙台の忍頂寺家も被災された。当然のことながら当初晃嗣氏に連絡が取れず、大変心配したが、間もなく御無事であるとのご連絡を受け、安堵した。東北の地によき思い出を作った私たちにとって、この大震災は大きなショックであった。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を祈念するものである。
[研究の概要]
研究の目的
本研究は、音曲をはじめとする近世風俗文化研究に多大な業績を残した故忍頂寺務の研究を再確認・再評価し、とくに近世風俗文化研究のあらたな展開のための基礎的研究を行うことを目的とする。この研究は、国文学研究資料館と大阪大学大学院文学研究科の研究連携事業である「忍頂寺文庫・小野文庫の研究」と深く関わる。大阪大学附属図書館に蔵される忍頂寺文庫・小野文庫は、忍頂寺務旧蔵書および自筆草稿等から成り、国文学研究資料館において、忍頂寺文庫についてはマイクロフィルム化が完了し、小野文庫についてはデジタル画像データの収集が進んでいる。同研究は、同文庫の目録作成を主たる目的としつつ、洒落本テキスト・データベース作成、貴重文献の紹介および小野文庫の画像データ収集などを進めてきた。これらの研究をさらに意義あるものとするには、忍頂寺文庫・小野文庫の蔵書構成・内容を、近世風俗文化学の形成という側面から捉えなおし、新たな近世風俗文化研究の構築へ繋げることが求められよう。具体的な目的として以下の4点をあげたい。
1 忍頂寺務旧蔵書の近世風俗文化史研究上の意義解明
2 忍頂寺務草稿の翻字と刊行
3 忍頂寺務の近世風俗文化学の再評価
4 昭和前期までの近世風俗文化学形成のネットワーク的復元

研究組織(所属は2012年3月現在)
○共同研究者
飯倉洋一(大阪大学大学院文学研究科教授・研究代表者)
近衞典子(駒澤大学文学部教授)
福田安典(日本女子大学文学部教授)
山本和明(相愛大学人間発達学部教授)
青田寿美(国文学研究資料館研究部准教授)
正木ゆみ(京都女子大学文学部准教授)
鷲原知良(佛教大学非常勤講師)
尾崎千佳(山口大学人文学部准教授)
川端咲子(神戸女子大学古典芸能研究センター非常勤研究員)
内田宗一(東京家政学院大学現代生活学部准教授)
井田太郎(国文学研究資料館研究部助教)(二〇〇八年度まで)
高橋則子(国文学研究資料館研究部教授)(二〇〇九年度より)
合山林太郎(大阪大学大学院文学研究科講師)(二〇一〇年度より)
○研究協力者
浜田泰彦(大阪大学特任研究員)
○招聘研究者
肥田晧三(元関西大学教授)
鹿倉秀典(青山学院女子短期大学教授)
武井協三(国文学研究資料館研究部教授)back_N.Tsutomu.png
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