
会期: | 2023年1月11日(水)~1月17日(火) 10時~18時30分 (初日は15時から/最終日は17時まで) |
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会場: | 文房堂ギャラリー(東京都千代田区神田神保町1-21-1 文房堂ビル4F) http://www.bumpodo.co.jp/gallery/ 入場無料・事前予約不要 |

染谷 聡 (美術家/漆芸)
1983年東京都生まれ。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士号(美術)取得。2015年京都市芸術新人賞受賞。
日本文化における「飾り」や「遊び」といった趣向に関心があり、漆の装飾技法や意匠を糸口とした作品制作や調査を行う。
最近の展示に、「根の力」(大阪日本民芸館、2021年)、「札幌国際芸術祭2020特別編」(北海道立近代美術館想定、2020年)、「DISPLAY」(MITSUKOSHI
CONTEMPORARY GALLERY、2020年)などがある。
AIR・TIR 染谷氏のページ
アーティストステイトメント

日本橋で手のひらほどのコンクリート片を拾った。どこにでもありそうな何てことのない物だが、これも風景の欠片と見れば愉快だ。
本展では『鉢山図絵』を糸口に、これまで制作してきた作品《みしき》を展開する。風景をコラージュして縮小し、私的なものにしてゆく「縮景」という装飾趣向に親和性を感じたからだ。『鉢山図絵』の題材でもある『東海道五十三次』の地をいくつか巡り、収拾したものを飾るうつわで景色を写しだそうと思う。



谷原 菜摘子(画家)
1989年埼玉県生まれ。2021年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程美術専攻(絵画)修了。2015年第7回絹谷幸二賞、2015年京展・京都市美術館賞、2016年VOCA奨励賞、2018年京都市芸術新人賞、2021年京都府文化賞奨励賞、2022年咲くやこの花賞などを受賞。
黒や赤のベルベットを支持体に、油彩やアクリルのほかにグリッターやスパンコール、金属粉なども駆使し、「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く。
2017年五島記念文化賞新人賞を受賞し、2017年秋〜2018年秋の1年間、五島記念文化財団助成によりフランス・パリへ研修滞在。現在は帰国し、関西を拠点に制作活動を行なっている。
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アーティストステイトメント

私はこれまでの作品制作において、最初に独自の物語を創りあげることを重要視してきました。これらの物語には社会世相や個人のトラウマ、民話や神話などを反映させています。
ないじぇるに参加したことにより、何百年も前に創られた物語と現在の自分の物語が接続されたと、確かに実感できる瞬間が何度もありました。
本展では『長谷雄草紙』から着想を得た作品「無常」と、これまで絵画化されたことがない『西山物語』から、特に「かへ」という女性の登場人物に焦点を当て構成した作品を主軸に展示致します。
国文学研究資料館とないじぇる芸術共創ラボについて
国文学研究資料館(国文研)は日本の生活と精神文化遺産である古典籍を国内外に広く求め、調査・公開などを行っている研究機関です。
ないじぇる芸術共創ラボは、国文研で培ってきた古典籍の数々と専門家によるネットワークを、研究者コミュニティの外側に開放しようと、2017年にはじまったプロジェクトです。アーティスト・イン・レジデンス(AIR)とトランスレーター・イン・レジデンス(TIR)プログラムを通して、多領域で活躍するクリエーターたちを国文研にお招きし、研究者と共に古典籍の魅力を探求し、創作活動を行っています。
ご来場の皆様へ、新型コロナウィルス感染症拡大予防へのご協力のお願い
- 発熱や風邪症状(せき・のどの痛みなど)がある方や、体調がすぐれない方は、ご来場をお控えください。
- 入口での手指消毒、マスクの常時着用、咳エチケット等にご協力をお願いいたします。
- 会場では他のお客様との間隔をあけてご鑑賞ください。また、会話等は極力お控えいただきますようお願いいたします。
- 混雑時には、入場をお待ちいただく場合がございます。
主催 国文学研究資料館
助成 独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
公益財団法人 花王芸術・科学財団
お問合せ先
国文学研究資料館管理部学術情報課ないじぇる芸術共創ラボ担当
e-mail: nijl_arts_initiative@nijl.ac.jp
「光陰」とは光と影であり、古代から現代まで流れている歳月であり、景色でもあります。
本展は、ないじぇる芸術共創ラボに参加しているアーティスト・イン・レジデンス(AIR)の二名が、様々な分野の研究者とともに日本の古典籍を紐解き、対話することを通して生まれた新たな作品世界を公開します。
漆芸と油絵、遊びと闇、風景と物語、自然と人間、古典と現代──本来ならば異質な要素を、書物・文学・芸術が交差する空間において共有するとき、そこには古典文化と芸術との交響によって無限の可能性が生まれるはずです。二人のアーティストが読み解いた古典の時間と空間、そして、その表現の根底にある古典文化のポテンシャルをご堪能いただけると幸いです。