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ホームないじぇるの活動・イベント ≫ トークイベント「モノガタリがよんでいる~谷原菜摘子、『西山物語』を描く~」

『西山物語を』ご存知ですか。

江戸時代中期、明和4年(1767)12月、京都一乗寺村で渡辺源太が妹を斬殺した事件、「源太騒動」が発生、その2ヶ月後、国学者の建部綾足(たけべ あやたり)がこの事件に取材し書き上げた小説です。

『西山物語』が世に問われてから約250年もの星霜を経た令和4年、
画家で当館アーティスト・イン・レジデンスの谷原菜摘子氏が、研究者とともに『西山物語』を読み解き、古典文学を踏まえた新たな絵画作品を創作します。

さらに、<物語>が紡ぎ出す<絵画>世界の深層に、アーティストと研究者が絵解きと対話によって迫り、わたしたちにとって<物語>とはいかなる存在なのかを考えます。

トークイベント「モノガタリがよんでいる ~谷原菜摘子、『西山物語』を描く」
どうぞご視聴ください。

谷原たにはら 菜摘子なつこ (画家)

1989年埼玉県生まれ。2021年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程美術専攻(絵画)修了。2015年第7回絹谷幸二賞、2015年京展・京都市美術館賞、2016年VOCA奨励賞、2018年京都市芸術新人賞、2121年京都府文化賞奨励賞などを受賞。
黒や赤のベルベットを支持体に、油彩やアクリルのほかにグリッターやスパンコール、金属粉なども駆使し、「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く。
2017年五島記念文化賞新人賞を受賞し、2017年秋〜2018年秋の1年間、五島記念文化財団助成によりフランス・パリへ研修滞在。現在は帰国し、関西を拠点に制作活動を行なっている。
2021年4月より、国文学研究資料館アーティスト・イン・レジデンス(AIR)に就任。

木越きごし 俊介しゅんすけ (国文学研究資料館 准教授)

1973年石川県生まれ。神戸大学博士課程修了。山口県立大学准教授を経て、現在、国文学研究資料館准教授。専攻、日本近世文学。
江戸時代後期の小説・出版の研究を中心に行う。
著書に『江戸大坂の出版流通と読本・人情本』(清文堂出版、二〇一三年)、『武家義理物語』(三弥井書店、二〇一八年、共編著)など。

こう いく (国文学研究資料館特任助教、古典インタプリタ)

1986年中国四川省生まれ。2016年に総合研究大学院大学博士課程修了。
中世を中心に、日本と中国の説話に関する比較研究を行う。
古典籍とクリエイターの橋渡し役として、アーティスト・イン・レジデンス(AIR)、トランスレーター・イン・レジデンス(TIR)と研究者の共創の場をサポートする。

関連古典籍のご案内

○『西山物語』(にしやまものがたり) 明和五年(1768)刊  半紙本三巻三冊

「こがねの巻」から「ほきの巻」の十章からなり、京都で起きた「源太騒動」事件をモデルとした実話小説。江戸時代の小説としては挿絵が1枚もないという珍しいものである。

・トークイベントで木越准教授が朗読をした箇所
「あやしの巻」
「よみの巻」

○当館所蔵建部綾足の主要作品

1. 『寒葉斎画譜』(かんようさいがふ) 宝暦十二年(1762)刊
2. 『孟喬和漢雑画』(もうきょうわかんざつが) 明和九年(1772)刊
3. 『伊勢物語/真名本』(いせものがたり/まなぼん)、附『伊勢物語考異』(いせものがたりこうい) 明和六年(1769)刊
4. 『本朝水滸伝』(ほんちょうすいこでん) 明和十年(1773)刊
5. 『漫遊記』(まんゆうき) 寛政十年(1798)刊

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