AIR・TIR

ホームAIR・TIR ≫ ピーター・マクミラン(翻訳家)

トランスレータ―

ピーター・マクミラン(翻訳家)

ピーター・マクミラン(翻訳家)
<プロフィール>

アイルランド生まれ。アイルランド国立大学卒業後、渡米し、博士号を取得。杏林大学教授などを歴任。日本在住歴30年。2008年『One Hundred Poets, One Poem Each』(英訳・小倉百人一首)で日米友好基金日本文学翻訳賞、日本翻訳家協会日本翻訳文化特別賞を受賞。2016年に伊勢物語の英訳『The Tales of Ise』を出版。2017年、『英語で読む百人一首』を文春文庫より刊行。2019年に、英訳百人一首カルタ『Waka A Waka 百人イングリッシュ』をカワダより刊行。

<就任期間>

2017年10月~2020年3月

ないじぇる芸術共創ラボでの主な活動

詩人、版画作家としても活躍するマクミランさんは、和歌と絵画が融合した作品『扇の草紙』―和歌と、それに関する絵画を扇型の画面に収めた作品群―に惹かれています。当館所蔵の『扇の草紙』二点の英訳を行い、その魅力を英語で発信します。

アウトプットイベント

ピーター・マクミランさんへの5つの質問

マクミランさんがないじぇる芸術共創ラボに参加してくださってからおよそ1年が経過しました(2018年12月時点)。
現在取り組んでおられること、ラボに参加して感じたことなどについて、古典インタプリタがたずねました。

Q1.「ないじぇる芸術共創ラボ」の中で取り組んでおられるテーマを教えてください

A. 私は「扇の草紙」の翻訳のいくつかを担当させていただきました。また別途、いろいろなイベントを一緒に開催させていただきました。三月に鳴子温泉で翻訳についてのイベントを地元の方と一緒に行いました1。立川では百人一首カルタのイベントを行い2、12月に京都の弘道館でイベントを行います3

Q2. 「ないじぇる芸術共創ラボ」で最も印象に残っている事柄(WS内容や資料、人物、イベントなど何でも)は何ですか

A.最も感激したのは、百人一首の英語カルタを国文研の主催で立川の教育委員会と中学生、高校生と一緒にイベントができたことです。「100人ぐりっ首」は国文研の先生方が考えてくれたタイトルでとても楽しいイベントになりました。先生方には大変な準備をしていただき、当日は素晴らしいイベントになりました。百人一首には全く興味がなく、純粋に英語でカルタゲームをやりたいという学生もいて、彼らの声が直接聞けたのは良かった。ゲームを楽しんでいる子供達の表情が印象的でした。毎年行ってゆきたいと思います。
私にとっての「ないじぇる」は古典を現代社会に活かしてゆくという趣旨だと考えておりますので、昔からあったカルタを新たに英語の形にして、学生の英語教育に役立てたり、英語を通して日本文化にもう一度触れる機会をつくったり、千年間大切にされてきた和歌の文化を、カルタをとして海外に持ってゆくことなどは、「ないじぇる」の趣旨にあっていることと思います。

Q3. 「ないじぇる芸術共創ラボ」に参加して、ご自身の創作活動にどのような影響がありましたか

A. ものを書いたり版画をつくったり日本の歌の世界を翻訳をしているものとしては、この「ないじぇる」に関わることによって、今までは活字になったものを通して翻訳していたところが、原本などを直接見ることができ、絵本をはじめ、たくさんのコレクションに触れることができたことに感謝をしています。特に「扇の草紙」からは日本人の遊びの感覚が鮮やかに伝わってきました。例えば、かささぎの歌に、笠と鷺が描かれており、その遊びの精神に触れて感激し、また、ありがたいと思いました。今まで、和歌の世界をメインとして翻訳をしてきましたが、時々、小林健二先生からお能のお話、有澤知世先生から歌舞伎や江戸のお話をうかがい、日本文化のさまざまな側面のお話をうかがうことができ創作活動の刺激になりました。「ないじぇる」に関わることによって、今までは活字になったものを通して翻訳していたところが、原本などを直接見ることができ、絵本をはじめ、たくさんのコレクションに触れることができたことに感謝をしています。特に「扇の草紙」からは日本人の遊びの感覚が鮮やかに伝わってきました。例えば、かささぎの歌に、笠と鷺が描かれており、その遊びの精神に触れて感激し、また、ありがたいと思いました。今まで、和歌の世界をメインとして翻訳をしてきましたが、時々、小林健二先生からお能のお話、有澤知世先生から歌舞伎や江戸のお話をうかがい、日本文化のさまざまな側面のお話をうかがうことができ創作活動の刺激になりました。

Q4. 「ないじぇる芸術共創ラボ」に期待することは何ですか

A. とてもよくしてくださっていて、これ以上期待することはありませんが、これまで一人で翻訳してきた孤独感が和らいできました。先生方と一緒に翻訳することで、先生方との交流が深まりました。日本文学者と一緒に今後、英語での表現をどうしたらよいかを考える必要があると思います。これから、先生方や院生たちもまじえて、今後どう日本文化を翻訳していったらよいか、みなさんでワークショプなどをしてゆければと思います。

Q5. 「ないじぇる芸術共創ラボ」に参加した感想や今後の抱負についてお聞かせください

A.どんどんいろんなプロジェクトを考えてゆきたいと思います。「扇の草紙」を英訳し、その絵と文学とが競合して生まれる視覚的な世界を、もっとわかりやすく現代の日本人や世界の方に伝えてゆきたい。これからも先生方とコラボして、今の社会、それから未来の社会に活かせるようにしてゆきたいと思います。

1 「デジタル発 和書の旅 湯とアートが鳴子で出会う」(2018年3月9日、於大崎市鳴子温泉早稲田桟敷湯)
2 「100人ぐりっ首―英語でとる百人一首―」(2018年7月25日、於立川市柴崎学習館講堂・体育館)
3 「デジタル発 和書の旅 ひるがえる和歌たち」(2018年12月9日、於京都市有斐斎弘道館)

PAGE TOP