アーティスト
山村 浩二(アニメーション作家)

<就任期間>
2017年10月~2020年3月
<プロフィール>
名古屋市生まれ。東京造形大学卒業。ヤマムラアニメーション有限会社代表取締役、東京藝術大学教授、 米国アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー)会員。代表作『頭山』は、アカデミー賞短編アニメーション部門正式ノミネート、『カフカ 田舎医者』とあわせ、 世界5大アニメーションフェスティバルすべてでグランプリを獲得。ほかにも国内外の映画祭で上映、受賞多数。他に『パクシ』『バベルの本』『古事記 日向編』『年をとった鰐』 『マイブリッジの糸』など。これまでの活動に対し、川喜多賞、芸術選奨文部科学大臣賞など受賞。「おやおや、おやさい」「ぱれーど」など絵本作家としても活躍。2019年、紫綬褒章受章。
ないじぇる芸術共創ラボでの主な活動
江戸時代の絵師・鍬形蕙斎(1764-1824)の絵手本『略画式』シリーズをモチーフにし、 上田秋成作『雨月物語』の一編「夢応の鯉魚」のストーリーを翻案したアニメーション作品「ゆめみのえ」を創作中です(2019年度中に完成予定)。
アウトプットイベント
- ・デジタル発 和書の旅「湯とアートが鳴子で出会う」[2018年3月9日]
動画をご覧いただけます
古典インタプリタ日誌はこちら - ・デジタル発 和書の旅「山村浩二、蕙斎に逢いにゆく」[2018年6月16日]
古典インタプリタ日誌はこちら
山村 浩二さんへの5つの質問
山村さんがないじぇる芸術共創ラボに参加してくださってからおよそ1年が経過しました(2018年12月時点)。
現在取り組んでおられること、ラボに参加して感じたことなどについて、古典インタプリタがたずねました。
Q1.「ないじぇる芸術共創ラボ」の中で取り組んでおられるテーマを教えてください
A. 日本の古代における夢の表象と、鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の絵手本『略画式』です。
Q2. 「ないじぇる芸術共創ラボ」で最も印象に残っている事柄(WS内容や資料、人物、イベントなど何でも)は何ですか
A.鳴子のイベント1です。ちょうど前日に芸術選奨文部科学大臣賞受賞発表があり、宿に着いた途端、国文研の皆様からお祝いを受け、とても嬉しかったです。講演会場も温泉の上の桟敷で、不思議な趣がありました。
Q3. 「ないじぇる芸術共創ラボ」に参加して、ご自身の創作活動にどのような影響がありましたか
A. これまで漠然としていた日本の古典の世界への興味が、次第にくっきりとし始めました。
Q4. 「ないじぇる芸術共創ラボ」に期待することは何ですか
A. まだまだ未知の、古典籍との出会いに期待します。
故・川本喜八郎さんの「古典は宝の山」という言葉を思い出します。宝の一端にもう少し触れられれば嬉しいです。
Q5. 「ないじぇる芸術共創ラボ」に参加した感想や今後の抱負についてお聞かせください
A.鍬形蕙斎の存在は知っていましたが、新しい発見と出会いがあり、また日本の古代の夢表現への具体的な知見も少しずつ深まってきています。現在は「ゆめみのえ(仮)」という10分ほどの短編アニメーションが段々と形になってきています。映像はほぼ出来上がって、今後は音の制作に移行していきます。
「ないじぇる」の会合は、毎回、様々な古典の専門研究家の先生方との交流がとても興味深く、道先案内人として大変心強い存在です。「古い書物を読むということは、それが書かれた日から現在までに経過したすべての時間を読むようなものである。」とはボルヘスの言葉ですが、書かれた当時のタイムマシーンとしてだけではなく、時間の厚みによって加わった質を汲み取って表現できればと思っています。ですが、書かれた当時のタイムマシーンとしてだけではなく、時間の厚みによって加わった質を汲み取って表現できればと思っています。
1 「デジタル発 和書の旅 湯とアートが鳴子で出会う」(2018年3月9日、於大崎市鳴子温泉早稲田桟敷湯)