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★シンポジウム・講演会・展示・口頭発表

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第102回歴博フォーラム「『延喜式』ってなに!?」

日時:平成28年9月17日(土)12:30開場
会場:国立歴史民俗博物館 講堂

内容:プロジェクト始動年にあたり、研究者のみならず一般の方々も対象として『延喜式』への関心を高めることを目的に開催した。予稿集A4判61頁を刊行。

 司会 仁藤敦史
 趣旨説明 小倉慈司
 報告1 荒井秀規「謎の発酵食品、●(くき)をめぐって」
 報告2 清武雄二「『延喜式』のアワビと古代の食文化」
 報告3 中村光一「8代将軍徳川吉宗と『延喜式』」
 報告4 金在弘(韓国・国民大学校文科大学)「古代韓国の鉄と農具」
     通訳・稲田奈津子

プログラム

<コメント>
受付開始より2週間ほどで募集を締め切るほどの反響があり(定員260名)、実際にもアンケート回答者の92%(回収率60.3%)より高い評価を得ることができた。韓国から研究者を招待して報告していただき、『延喜式』の国際的研究の可能性を探った。


特集展示「『延喜式』ってなに!?」

日時:平成28年8月23日(火)~9月19日(月)
会場:国立歴史民俗博物館 第2展示室

内容:第2展示室内に8つの展示ケースを設け、テーマごとに実物資料を展示。

 Ⅰ『延喜式とは』
 『延喜式』の概要や『延喜式』を写し伝えた土御門家について紹介。

 Ⅱ『延喜式』の諸相
 『延喜式』の内容から銭貨や印・アワビに関する規定などを紹介。

 Ⅲ『延喜式』の時代
 『延喜式』と同時代に編纂された『古今和歌集』、また『延喜式』『古今和歌集』の編纂を命じた醍醐天皇について紹介。

 Ⅳ『延喜式』と平安貴族
 平安貴族は『延喜式』をどのように使っていたかを紹介。

展示紹介

<コメント>
期間中に数度催したギャラリートークでは熱心に説明に聞き入る見学者が大勢訪れるなど、『延喜式』研究への期待と関心を窺うことができた。

★研究会

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全体研究会

日時:平成29年3月25日(土)
会場:国立歴史民俗博物館

内容:カツオの加工品の復元研究、植物学による『延喜式』記載薬種の比定に関する検討、近世の『延喜式』染織研究に関する写本研究、TEIを用いた『延喜式』テキストデータ利用方法の紹介といった研究報告と討論、および現代語訳の活動報告等。

報告:小倉慈司「活動概況と次年度の計画について」
三舟隆之「古代堅魚製品の復元―堅魚煎汁を中心に―」
清武雄二「熨斗鰒加工実験・成分分析報告」
天野誠「薬種の国内自給体制に関する研究へのアプローチ」
中村光一「九州大学附属図書館所蔵の『古代染衣法』について」(仮)
小風尚樹「『延喜式』とTEI―テキストマークアップの利点―」
神戸航介「延喜式現代語訳の進捗状況について」


内膳大膳(食品)分科会

日時:平成28年10月24日(月)
会場:東京医療保健大学世田谷校舎
内容:平安期にける天皇御膳の史料的検討、税物としての食材生産・運搬等の復元に関する報告、討論。
報告:佐藤全敏(信州大学)「9世紀の天皇御膳の復原をめぐる諸問題」
   清武雄二「アワビ漁・加工・貢納・饗宴風景および食膳具等の復元展示にあたって」


全体研究会

日時:平成28年9月18日(日)
会場:国立歴史民俗博物館

内容:植物学からみた『延喜式』記載薬種分析の問題点、海外の『延喜式』研究の現状把握、『延喜式』記載の武器類と正倉院宝物との比較、『延喜式』近世諸版本の校訂に関する研究等の報告と討論、および調査等の活動概況報告。

報告:小倉慈司「活動概況と今後の計画について」
天野誠「延喜式37巻 典薬寮に記述されている薬種について」(レジュメ参加)
山口えり「海外における『延喜式』研究―英文『延喜式』の翻訳書を中心に―」
西川明彦「『延喜式』にみる武器の製作技法」
相曽貴志「江戸期における延喜式版本の校訂について―勢多家旧蔵本を中心に―」
清武雄二「国崎・神宮御料鰒調製所見学および熨斗鰒加工実験の報告」
清武雄二「『延喜式』現代語訳および文献目録作業」


内匠式(物品)分科会

日時:平成28年7月15日(金)
会場:国立歴史民俗博物館

内容:アマルガム法による鍍金等の技法に関する史料的検討および討論。
報告 堀部猛「延喜内匠式にみる金銀加飾技法」

★資料調査

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『延喜式』写本(写真帳)調査・関連資料調査

日時:平成29年3月15日(水)・16日(木)
場所:東京大学史料編纂所
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:岩瀬文庫所蔵法隆寺弥勒院旧蔵本および地理局地誌課旧蔵史料について調査。


『延喜式』写本(写真帳)調査

日時:平成29年3月1日(水)
場所:東京大学史料編纂所
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:岩瀬文庫所蔵法隆寺弥勒院旧蔵本について調査。


『延喜式』写本調査

日時:平成29年2月22日(水)~23日(木)
場所:京都大学附属図書館
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:近衛本について調査。


『古代染衣法』写本調査

日時:平成29年2月9日(木)~10日(金)
場所:九州大学附属図書館
参加:代表者・中村光一 人数1名
内容:近世の『延喜式』染織研究に関する写本『古代染衣法』の史料調査。


『延喜式』版本調査

日時:平成28年11月17日(木)
場所:筑波大学附属図書館中央図書館
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:同館所蔵版本について調査。


『延喜式』写本調査

日時:平成28年10月31日(月)
場所:京都大学附属図書館
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:近衛本について調査。


『延喜式』版本調査

日時:平成28年10月27日(木)
場所:皇学館大学附属図書館
参加:代表者・早川万年 人数1名
内容:同館所蔵版本について調査。


長鰒(熨斗アワビ)調製実験

日時:平成28年9月30日(金)~10月17日(月)
場所:国立歴史民俗博物館
参加:代表者・清武雄二

内容:古代の税物「長鰒」の貢納時における梱包形状を検証するため、現代の熨斗アワビ調製方法による乾燥加工したメガイアワビの2次加工実験を実施。


神宮御料鰒調製所における熨斗アワビ調製作業の調査

日時:平成28年9月25日(日)
場所:三重県鳥羽市国崎町 神宮御料鰒調製所
参加:代表者・清武雄二 人数2名

内容:古代の税物「長鰒」の梱包・運搬に際する形状特定の調製方法を検討するため、現在行われている熨斗アワビの調製作業を現地調査。


『延喜式』写本調査

日時:平成28年8月25日(木)
場所:尊経閣文庫
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:前田家本について調査。


『染色方』『延喜式』等調査

平成28年8月10日(水)
場所:東京大学総合図書館・史料編纂所
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:東京大学総合図書館所蔵『染色方』・岩瀬文庫所蔵法隆寺弥勒院旧蔵本『延喜式』について調査。


『延喜式』写本調査

日時:平成28年8月4日(木)
場所:尊経閣文庫
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:前田家本について調査。


『延喜式』写本(写真帳)調査

日時:平成28年7月28日(木)
場所:東京大学史料編纂所
参加:代表者・小倉慈司 人数1名
内容:岩瀬文庫所蔵法隆寺弥勒院旧蔵本について調査。


長鰒(熨斗アワビ)成分分析

日時:平成28年7月26日(火)~11月2日(水)
場所:味の素株式会社 食品研究所
参加:代表者・清武雄二

内容:古代の税物「長鰒」の乾燥加工による成分変化を数値的に把握するため、生のメガイアワビと乾燥加工後のものの成分分析を実施。


長鰒(熨斗アワビ)加工実験

日時:平成28年7月26日(火)~9月29日(木)
場所:東京医療保健大学・国立歴史民俗博物館
参加:代表者・清武雄二、三舟隆之
内容:現代の熨斗アワビ製造を参考にしたメガイアワビによる乾燥加工実験を実施。


神宮御料鰒調製所における鰒調製作業・海女漁の調査

日時:平成28年6月14日(火)~16日(木)
場所:三重県鳥羽市国崎町 神宮御料鰒調製所
参加:代表者・清武雄二 人数 3名

内容:古代の税物「長鰒」に関わる生産・加工法等を検討するため、現代の熨斗アワビの加工・乾燥方法、原料のアワビ漁の海女による漁法等を現地調査。

★論文

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  • 仁藤敦史,王統譜の成立と陵墓,『世界遺産と天皇陵古墳を問う』,思文閣出版,2017年1月,pp. 87~108
  • 仁藤敦史,欽明期の王権と出雲,『出雲古代史研究』26,出雲古代史研究会,2016年7月,pp. 1~39
  • 土山寛子・峰村貴央・五百藏良・三舟隆之,『延喜式』に見える古代の漬物の復元,『東京医療保健大学紀要』11,東京医療保健大学,2016年12月,pp. 1~7
  • 荒井秀規,律令制下の交易と交通,舘野和己・出田和久編『日本古代の交通・交流・情報2』,吉川弘文館,2016年6月,pp. 206~234
  • 早川万年,詔勅官符と式条文,『日本歴史』817,吉川弘文館,2016年6月,pp. 57~64
  • 小倉慈司,『延喜式』制以前の伊勢神宮―8~9世紀の内宮と外宮をめぐって―,John Breen編『変容する聖地 伊勢』,思文閣出版,2016年5月,pp. 55~74

★その他

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マスメディア関連

  • 朝日新聞千葉版(2016年9月14日付)「特集展示『延喜式』ってなに!?」紹介記事掲載
  • 千葉日報(2016年9月7日付)「特集展示『延喜式』ってなに!?」紹介記事掲載

プロジェクト紹介記事

  • 小倉慈司,「古代の百科全書」としての『延喜式』―異分野からの『延喜式』研究の歩み―,国立歴史民俗博物館編『〈総合資料学〉の挑戦―異分野融合研究の最前線―」』,吉川弘文館,2017年3月,pp. 114~119
  • 清武雄二,異分野融合で読み解く歴史的典籍の魅力―「総合書物学」の構築,『きざし』vol.1,人間文化研究機構,p.8