2026/2/25
国文学研究資料館が瑞光寺所蔵資料のデジタル画像公開
国文学研究資料館(以下「国文研」)は、京都市伏見区深草山瑞光寺所蔵の古典籍のうち19点のデジタル画像を、国文研の「国書データベース」にて公開しました(瑞光寺画像一覧https://kokusho.nijl.ac.jp/page/list-zuik.html)。
瑞光寺(ずいこうじ 京都市伏見区深草坊町4)は、元政上人(げんせいしょうにん 1623~1668)が開山した日蓮宗の寺院です。
元政は、江戸時代前期の僧侶であり、当代を代表する漢詩人、歌人として広く知られています。漢詩文ではその作品の集大成というべき詩集『草山集』(そうざんしゅう)があり、松永貞徳を師として学んだ和歌は、『草山和歌集』(そうざんわかしゅう)、に収められています。また、中国明末の人で、来日して尾張徳川藩に仕えた文人陳元贇(ちんげんぴん)との深い交友は『元元唱和集』(げんげんしょうわしゅう)を生みました。
瑞光寺には、元政が著した宗門の教義に関わる自筆本や、自筆の漢詩・和歌、日記・紀行文、若い頃に古典を学ぶために書写した本、同時代の文人たちとの交流をうかがわせる書状、書肆で求めた書籍、さらには上人没後に元政を慕って瑞光寺を訪れた後世の人の書に至るまで、4,700点余にのぼる古典籍が蔵されています。国文研では、二十数年にわたって瑞光寺の所蔵資料調査をおこない、2019年から蔵書のデジタル撮影を開始しました。
このたび画像公開するのは、多種多彩で数多い瑞光寺所蔵資料のなかから、『建礼門院右京大夫集』『源氏言葉』などといった古典の書写本を中心とする19点です。国文研の資料調査の成果として刊行された、岡雅彦・落合博志・桑名法晃・長田和也・中前正志・那須陽一郎・原雅子・村木敬子編『深草瑞光寺所蔵 元政上人資料集 近世京洛寺院の学問とネットワーク』(勉誠出版、2023年)において、本文の翻刻に解説を付す形で既に紹介されており、かつ撮影が済んでいる資料の一部を、国書データベースに収載するはこびとなりました。
上記『元政上人資料集』の序文において、瑞光寺の川口智康師は、「所蔵資料を公開して、研究者や一般の人々に活用していただくことは、仏の御心であり、住持の私の望むところである」と記しています。翻刻での公開にくわえ、画像の公開をお認めいただいたのは、長きにわたって資料調査を継続した国文研の活動と、所蔵資料の文化的価値に対する、瑞光寺の深い御理解によるものです。
今回の国書データベースによる公開によって、インターネットが利用できる環境にあれば、いつでもどこでも誰でも画像を閲覧できるようになります。今後の研究の進展に大きく貢献することが期待されます。
〈本件に関するお問い合わせ〉
国文学研究資料館 管理部学術情報課 社会連携係
E-mail: jigyou@nijl.ac.jp / TEL: 050-5533-2910 / FAX: 042-526-8604
