在学生・修了生の声

日本文学研究コースの在学生・修了生の声を、コース案内より一部抜粋してご紹介します。
全文は以下のコース案内よりご覧ください。
コース案内2026(R8)p.13~14

在学生の声

坂井 彪さん(2023年4月入学)

私は中世の様々なテキストで見られる宝剣(草薙剣)叙述に関する研究を行っています。その上で、多くのテキストを扱うことが肝要になりますが、日本文学研究コースの基盤機関である国文学研究資料館には、原本資料、紙焼き写真本、マイクロフィルム、その他図書や雑誌等、膨大な資料があるので、これらを活用して日々研究を進めています。

本コースの院生は、書庫に立ち入って資料(貴重書や特別コレクション等を除く)を直接手に取ることができ、貸出の手続きを行えば、資料を院生室で閲覧することも可能です。国文研の豊富な資料を思う存分利用できる点こそが、本コースの最大の魅力と言えるでしょう。

水嶋 彩乃さん(2023年4月入学)

私は日本文学研究コースにて、「鎌倉~南北朝期の公家社会と芸能」というテーマで研究を進めています。当該期の公家社会の構成員がどのような人的・社会的関係を結んでいたかと、その諸関係を前提に芸能、特に管絃がどのように担われてきたかを分析しています。

充実した研究指導と研究支援を受けられた初年度を終え、本コースへの進学を決心して本当に良かったと実感しております。

講義では、研究テーマと密接に関係する、近世朝廷と公家の家業について学ぶことができました。受講前は、自身のテーマの最終的な到達点が近世の家業との接続になるだろうと漠然と考えていましたが、講義の中で家業という概念が想定以上に流動的だったことに気づき、研究の方向性を定めることができました。

修了生の声

福原 真子さん(2026年3月修了)

私の博士論文としての研究
 私の博士論文としての研究は、定家様(藤原定家による特徴的な文字造形の系統)の近世期における享受についてでした。定家の時代から遠く離れた近世期での定家の書風流行という現象は、書道史という範疇を超えて解明すべき要素を多く含んでいると考えられたからです。この研究に至った過程には、書道に関わってきた自身の経験がありました。「書」というものを、これまでのような芸術や書道教育という視点のみではなく、文学を軸とした日本文化のなかでの一要素として捉えてみたいという思いからでした。

学位収録を目指す方へ
 私は、仕事と家事を両立しながらの博士課程であったことから、研究時間の確保が大きな課題でしたが、長期履修制度を利用して5年間で学位を取得しました。5年間という時間は長いように思われますが、あっという間でした。自身の経験からも、これから学位取得を目指す方には、計画性を持って研究に臨んでほしいです。そして、国文学研究資料館の膨大な資料と、総研大の多彩な学びの機会を大いに活用していただきたいと思います。

伊藤 美幸さん(2025年3月修了)

充実した国文学研究資料館の環境
私は切附本(きりつけぼん)(幕末明治期に出版された中本書型の読み物で、題材は一代記・軍談・敵討等)を研究していますが、自身の研究対象だけではなく、同時期に制作された出版物を多く見ることが研究を進める上で非常に重要となってきます。膨大な資料を所蔵する国文学研究資料館の環境で、江戸後期から明治二十年頃に制作された版本や写本などを多数閲覧することができ、資料に対する洞察力や感性が着実に養われました。また、誠実に資料に向き合うことで、研究の一歩を踏み出すべき方向性や手応えを得られたことは、国文研に在籍していなければ得られないものでした。

学位取得までに苦労した点
これまでの投稿論文を単純に並べただけでは博士論文にはなりません。博士論文全体の一貫性を意識しながら、各章の研究目的・意義・方法・主張などが適切かどうかを見極めるのが難しかったです。また、表記揺れの修正をはじめ、図版や表の調整といった細かい作業も多く、手間と時間がかかりました。

学位取得を目指す方へ
時間はあっという間に過ぎていくので、学位取得に向けて早めに執筆を始め、計画的に進められるとよいと思います。また、国文学研究資料館が所蔵する膨大な資料や研究データを大いに活用してください。