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[No. 68 トピックス]アーカイブズ・カレッジ短期コース(高岡)の開催と講演会

太田 尚宏

2025年度のアーカイブズ・カレッジ短期コースが、富山県公文書館との共催で、11月10日(月)から11月15日(土)まで、富山県高岡市の高岡市生涯学習センターにおいて開催されました。地元の富山県をはじめ、東京・京都・大阪・福島・奈良・福岡など全国各地から応募した受講生(全日程 38名、特別聴講 8名)がアーカイブズ学の基礎的事項や富山県内の資料保存の現状を熱心に学んでいました。

カレッジの日程が終了した翌日の 11月16日(日)には、アーカイブズ講演会「地域の資料を守るということ ―災害被災地からの発信―」が開かれ、氷見市立博物館主査(学芸員)の廣瀬直樹氏による「令和 6年能登半島地震と文化財レスキュー ―氷見市立博物館の取り組みについて―」、当館教授の西村慎太郎氏による「被災資料の『活用』と地域貢献の課題 ―原発事故被災地を事例に―」という2つの講演が行われました。2024年1月1日に発生した能登半島地震では、半島東部に位置する富山県氷見市も大きな被害を受け、文書類を含む多数の文化財が被災しました。廣瀬氏の講演では、こうした資料を救出・保全する取り組みが紹介され、西村氏の講演では、福島原子力発電所事故で帰還困難区域となった福島県大熊町・浪江町でのレスキュー資料を活用した、失われた地域の「歴史と文化の継承」に関する実践が報告されました(参加者 30名)。講演後には活発な質疑が行われるなど、関心の高さがうかがわれました。

今回のカレッジ・講演会の実施に際し、富山県公文書館・高岡市立博物館をはじめとする多くの方々にご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。