本分類は、共同研究事業(科研・基盤A)「日本古典籍総合目録における隣接領域の受容拡大と検索機能の整備のための研究」(平成20年度~23年度)により、国文学研究資料館が所蔵する和古書約14,500点、和刻本漢籍600の古典籍について、新しく考案した「日本古典籍分類表」における分類語を適用させ、その結果を検索機能システムと連動させることができる。すなわち、国文学研究資料館のデータベースである「所蔵和古書目録」の各書目に、より体系的で正確なものに改正された分類語を付与し、その検索機能を活用することによって、従来の著者、作品名に、大小のジャンルを加えた、古典籍の多角的な探索を可能することを目的に作成した。
従来、国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録」データベースが基づく『国書総目録』は、既成の目録からの採録という方針のもと、分類情報も個々バラバラな傾向があり、統一性を欠いていた。そのため、「日本古典籍総合目録」データベースの一部を成す「所蔵和古書目録」データベース(館蔵和古書のデータベース)の分類情報においても、同様の状況が認められる。そうした分類をめぐる不統一を克服するために、新しく分類シソーラス「日本古典籍分類表」を考案し、館蔵和古書への適用を試みた。
「日本古典籍分類表」は、『内閣文庫所蔵国書分類目録』の分類を基本に、古典籍が置かれた実情に即した分類という観点に立ち、各分野の専門家の意見を取り入れながら、改正を施して作成したものである。特色として、従来の日本古典籍という概念から外れる、館蔵の和刻本漢籍について、四部分類の見直した、新たな分類を適用して、日本古典籍の一領域として組み入れたことが挙げられる。また、書籍以外の形態を取る懐紙、短冊、軸物、一枚物などについても、同様に、日本古典籍の領域としての新たな分類を適用して組み入れた。