人間文化研究機構災害連携研究報告会
日程:平成25年3月8日(金)
場所:国文学研究資料館 2階 大会議室
聴講無料、事前申込不要
東日本大震災から2年、津波被害と文化遺産:
   東日本大震災は、被災地の広範さ、被害の甚大さ、地震・大津波、原子力発電所事故など、まさに激甚災害です。それは、かつて日本人が経験したことのない被災・事故であり、東日本に連綿と継承されてきた歴史文化をも大きく破壊しました。
   「記憶をつなぐ-津波被害と文化遺産-」展は、文化遺産の復興に目を向け、私たちにとっての文化遺産の意義を改めて見直すとともに、その文化遺産を通じて、この地震・津波災害の記憶と経験をいかに未来に継承し、次代の社会を築き上げていくのかを考える契機としたいと願っています。
   震災直後から文化庁文化財レスキュー事業の中で人間文化研究機構内国文研チーム「文書資料・典籍等」班(代表青木睦)は、大津波被害の歴史文化情報資源の救助・復旧活動を行ってきました。「被災紙資料の保存と活用に関するソリューション研究」においては、その活動の中で顕在化した課題・問題点の解決や被災資料活用を実現するためのシステムについて提案します。これまでの被災資料の保存科学的実態調査と分析を基に、今後の活用において必要となるあらゆる要素(ハードウェア、ソフトウェア、サポートなど)を組み合わせて提供するためのソリューションの研究を行っています。
   現在、被災地は遅い足取りながら、復興の途につきつつあります。本報告会は、この2年間の活動について、歴史文化遺産の継承のための支援と社会貢献のあり方を紹介し、広くその活動の意義を理解してもらうことを目的としています。
プログラム:
11:00〜12:00 展示解説
(開場12:00)
13:00-16:00 報告会
・趣旨説明−被災紙資料の保存と活用に関するソリューション研究紹介
  青木睦(国文学研究資料館准教授)
・基調報告−被災文化財等救援委員会活動の2年間(仮題)
  神庭信幸(東京国立博物館保存修復課長)
・報告1−津波で被災した紙資料の生物劣化に関わる微生物群の調査
   -釜石市被災文書から検出したカビの分析を中心に
  佐藤義則(東京文化財研究所生物科学研究室研究員)
・報告2−「記憶をつなぐ−津波災害と文化遺産-」-被災地を展示するということ-
  日高真吾(国立民族学博物館准教授)
・報告3−津波被災自治体文書への復旧対応と現状
  林貴史(全国歴史資料保存利用機関連絡協議会臨時委員会委員)
・ディスカッション−コーディネーター 青木睦
問い合わせ先:
TEL.050−5533−2900(代表) FAX.042−526−8604