通常展示「和書のさまざま」 
展示室整備日(2月14日,3月14日,27日~29日,31日,4月11日,5月9日)

展示室の様子


折本

特大本と特小本

刷り付け表紙

多色刷り本
展示のみどころ:
この展示が対象とする「和書」とは、主として江戸時代までに日本で作られた書物を指します。堅い言葉で言えば「日本古典籍」ということになります。ただし、明治時代頃までは江戸時代の書物の系統を引く本が作られていましたので、それをも取り扱っています。
「和書」と似た言葉で「国書」という語がありますが、これは古典籍の内で、日本人の著作した書物を言います。「和書」はそれより広く、漢訳仏典や漢籍、あるいはヨーロッパ人の著作も含め、江戸時代以前に日本で製作されたすべての書物を指す言葉です。
一般に書物が製作されるには、それを支えまた受容する文化的背景があり、そうして製作された書物が、新たな文化──文学、芸能、思想、宗教など──を生み出す基になるという現象が普遍的に見られます。書物によって展開した日本の文化を考える上で、日本人の著作か否かを問わず、日本で製作されたすべての本を視野に入れなければならない理由がここにあります。
国文学研究資料館は、創設以来四十年以上にわたり、全国の研究者の御協力をいただき、所蔵者各位の御理解のもとに、国内外に所在する日本古典籍の調査を継続して行ってきました。調査を通して得られた、古典籍に関する新たな知見も少なくありません。この展示には、その成果も反映しています。
この展示では、和書について、まず形態的、次に内容的な構成を説明した上で、各時代の写本・版本や特色のある本を紹介し、併せて和書の性質を判断する場合の問題をいくつか取り上げてみました。全体を通して和書の基本知識を学ぶとともに、和書について考えるきっかけとなることをも意図しています。
和書の広大な世界を窺うためにはささやかな展示ではありますが、以て日本古典籍入門の役割を果たすことを願っています。
特設コーナー:
通常展示の一部のスペースを使って、当館の新収資料等を展示します。定期的に展示替えを行いながら、源氏物語、奈良絵本等、様々なテーマを用意します。
<現在の特設コーナー>
江戸の人々が見た禅
会期:平成30年3月15日(木)〜5月8日(火)
→展示の様子はこちらからご覧下さい。
<特設コーナー 今後の予定>
知の開国―明治150年によせて―
平成30年5月10日(木)〜5月26日(土)
6月11日(月)〜7月10日(火)
※過去の展示の様子はこちらからご覧下さい。
ギャラリートーク:
・ 平成30年1月25日(木) 11時30分〜12時15分 落合 博志
・ 平成30年2月15日(木) 11時30分〜12時15分 入口 敦志
・ 平成30年3月15日(木) 11時30分〜12時15分 相田 満
・ 平成30年4月19日(木) 11時30分〜12時15分 恋田 知子
・ 平成30年5月17日(木) 11時30分〜12時15分 有澤 知世
展示替えについて:
資料保護のため、定期的に展示替えを行います。問い合わせ先:国文学研究資料館企画広報係
TEL.050−5533−2910 FAX.042−526−8606
E-mail: