日本古典文学学術賞選考委員会委員長、 法政大学教授 小秋元 段
第 18回日本古典文学学術賞の選考は、関連諸学会から推薦された品田悦一、竹内正彦、小秋元段、鈴木健一、平野多恵の 5名と、国文学研究資料館賛助会運営委員会委員の岡﨑真紀子、国文学研究資料館教員の木越俊介の計 7名からなる選考委員会によって行われました。2025年 6月4日(水)に開催された第1回選考委員会では、今回の対象業績となる2024年の1月から12月までに公表された日本古典文学(古典と近代、古典文学と日本語学その他隣接諸学にまたがるものを含む)に関する著書で、公表時に 40歳未満の研究者によって執筆されたものを広く確認したうえで、選考委員からの推薦および過去の受賞者(日本古典文学会賞・日本古典文学学術賞)からの推薦のあった 3編の著書を審査の対象とすることを決定しました。その後、すべての委員がこれを精読し、9月9日(火)に開催された第 2回選考委員会で審議を行いました。
その結果、今回、審査対象となった 3編は、それぞれの問題意識のもと意欲的かつ誠実に課題への考察がなされていることは評価できるものの、研究領域に与えるインパクトや説得力を担保する論述・構成等に照らしたとき、授賞の水準にいたるにはさらなる考究と工夫の余地があるとの認識を共有しました。もとより、私たち選考委員は若手研究者に対して本賞を授与することで、その研鑽を顕彰するとともに、学術界の活性化に寄与することを念願するものです。しかし、社会の信頼に応え、研究の未来に適うためには、確固たる基準をもって選考に臨むことも必要であると判断し、第18回日本古典文学学術賞は受賞者なしとの結論にいたりました。伝統ある本賞に受賞者を見いだすことができなかったことは遺憾ですが、次回の選考に向け、有資格者の皆さまの一層のご健筆を祈るところです。
これまでの受賞者・選考講評などの情報は、当館ウェブサイト日本古典文学学術賞ページを御覧ください。
