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[No. 68 トピックス]古典籍講習会参加の記

総合研究大学院大学先端学術院先端学術専攻 日本文学研究コース博士後期課程 宮本 しえり

「第8回 若手研究者を対象とした日本古典籍講習会」が、2025年7月15日(火)・16日(水)の2日間にわたって開催されました。この講習会は若手研究者(大学院在籍者または大学院修了後5年以内の研究者)が日本古典籍書誌学の初歩的知識を修得することを目的としており、約20名の若手研究者が参加しました。

2日間にわたって行われた講習会では、古典籍の書誌用語やくずし字、写本、版本、装丁、蔵書印、料紙、表紙の文様、江戸や明治の出版文化といった古典籍にまつわる様々な知識を講義形式でご教授いただきました。これらの講義は、日本古典籍の所蔵機関において現在古典籍を扱う業務を担当されている職員の方を対象として7 月15 日(火)~ 18 日(金)の日程で開催されている「第23回 日本古典籍講習会」と同じカリキュラムとなっています。そのため基本的な知識はもちろんのこと、専門的なお話もうかがうことができました。各回の講義のあとには講師の先生方の私物の古典籍や国文学研究資料館所有の資料および研究機器に触れる時間があったのですが、その後すぐに実物を手に取る機会があることによって、講義においてお話しいただいた内容が、ただインプットされた知識に留まることのない体感的な理解となりました。

そして2日目の午後、最後の講座のコマは国文学研究資料館の閲覧室と書庫の見学でした。国文学研究資料館の書庫は、通常は関係者以外立ち入り禁止となっているのですが、今回は書庫内部においてご寄贈いただいた文書をはじめとした資史料が保管されている様子などを見学しました。また、今回の館内見学の行程には、普段国文学研究資料館おいて学んでいても中々目にすることができない、国文学研究資料館にやってきた資史料の防虫処理の様子や、デジタル画像公開のための画像撮影作業・使用機器の見学も含まれていました。資史料の保管も防虫処理も画像撮影作業も、すべて資史料に負担をかけないように行われているのだということを実感しました。このように、普段は見ることのできない様々な箇所を見学できたこと、そして普段当たり前のように使っている資料や画像データベースの裏側を見ることができたことで、自分の学びもいっそう深まりました。

本講習会では、参加していたほかの大学の院生の方や若手研究者の方ともお話しすることができました。様々な学びを得て、いろいろな方との交流を深める事のできたとても実りある講習会となりました。