国文研ニューズ web

[No. 67 トピックス]国際連携部「文献資料ワークショップ」~デジタル時代にこそ原本に触れて~

ノット・ジェフリー KNOTT Jeffrey

「文献資料ワークショップ」は、デジタル化が進む中でなおもデータ化しにくいと指摘される研究ノウハウの伝達に関する問題と、アクセス自体が改善された一次資料の実際の利活用に際して不可欠な技術や経験の取得に関する問題とを深く意識し、その解決に向けて貢献できるような試みとして2020 年の秋に発足した、当館国際連携部の事業です。

2022 年からは当館協定先であるIUC(アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター)との共催に移行し、ハイブリッド形式を毎回併用しながらも当館蔵の資料に実際に触れる対面中心の性格に重点を置いて行ってきました。

一昨年度から初めて館外から講師を招聘することが叶いましたが、その成功をうけ、昨年度も下記二方の先生にお越しいただきました。

● 第11回 「経絵の世界―仏典と説話が重層するイメージを読み解く―」
 山本聡美(早稲田大学・教授)[2024.11.13]

● 第12回 「なぜ連歌は句を懐紙に書くのか」
 松本麻子(聖徳大学・教授)[2025.2.21]

以下は、昨年度第11回に対面で参加した学生による観覧記を(一部)翻訳したものです。

【 観覧記 】
山本先生の講義では「装飾経(そうしょくきょう)」という資料に関する基本知識を押さえたうえで、その絵と本文それぞれに対する様々な研究方法について学ぶことができました。
講義の後には、資料を実際に見る貴重な機会があり、数点の巻物に直接触れながら、その保存方法からその大まかな研究史まで先生にいろいろ教えていただき、本当に印象深い体験でした。
特に印象的だったのは、巻物の保存状態が素晴らしく、千年以上前の成立にもかかわらず虫食いがわずかしかなかったことです。
このワークショップを通じて、前近代日本の写本に対する理解が深まり、また驚くほど豊富に伝わる資料について知ることができ、大変充実した時間となりました。

ヴァルマ・ラヴァニャ(IUC)