増鏡ますかがみ

治承(じしょう)四年(1180)の後鳥羽天皇(ごとばてんのう)の誕生から、元弘(げんこう)三年(1333)の後醍醐天皇(ごだいごてんのう)隠岐(おき)より還幸するまでの、一五代一五三年間を、編年体(へんねんたい)で記述した歴史物語。史書・文学両面ともに価値が高い。「四鏡」の一つ。作者未詳。

著者
年代 天授2年(1376)
分類 歴史物語・史論

平安時代の『大鏡』『今鏡』のあとを受けて、鎌倉初期に『水鏡』、南北朝期には『増鏡』が書かれました。京都の宮廷生活を描いた『増鏡』には、作者の王朝社会への憧れがうかがえます。また、相次ぐ戦乱を反映して、歴史の背後にある原理を解き明かそうとする史論も登場します。北畠親房による『神皇正統記』は、神道を基本に南朝の正当性を強く主張しています。

各年代における歴史物語・史論の変遷
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