江談抄ごうだんしょう

一二世紀初期成立の説話集。学者出身の公卿大江匡房(おおえのまさふさ)晩年の談話を、藤原実兼(ふじわらのさねかね)が筆録したもの。内容は貴族社会の逸話、有職故実(ゆうそくこじつ)、漢詩文に関する話題等。

著者 大江匡房おおえのまさふさ 談、藤原実兼ふじわらのさねかね
年代 一二世紀初期成立
分類 説話・伝記集

全31巻1000余話から成り、日本の説話文学を代表する作品である『今昔物語集』は、この時期に成立しました。平康頼撰とされる『宝物集』は、院政期の終わりに原形ができたようです。紀伝道大江家の学者大江匡房の言談を筆録した『江談抄』も、説話に関して逸し得ない作品です。また、末法思想による浄土信仰を反映して、大江匡房撰『続本朝往生伝』・三善為康撰『拾遺往生伝』などがあいついで成立しました。

各年代における説話・伝記集の変遷
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