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[No. 67 トピックス](国文学研究資料館・たましん美術館 共催展示)源氏物語の新世界―明け暮れ書き読みいとなみおはす―

河田 翔子

2025年1月11日(土)から3月16日(日)にかけて、立川市のたましん美術館において当館との共催で「源氏物語の新世界―明け暮れ書き読みいとなみおはす―」展が開催されました。当館とたましん美術館との共催展示は、今回が初の試みです。

1章「物語をつたえる」では、伝為家(ためいえ)筆本や榊原(さかきばら)本といった『源氏物語』の鎌倉写本をはじめ、読者増加の契機となった承応(じょうおう)3年(1652)刊の絵入り『源氏物語』などが目を引きました。

続く2章「物語をたのしむ」では、江戸前期の『源氏物語団扇画帖(うちわがじょう)』などの絵画資料や『源氏かるた』といった遊戯関係資料が並び、来館者の目を喜ばせました。

3章「物語をつくりかえる」では、「宇治十帖(うじじゅうじょう)」のその後を描いた『山路の露(やまじのつゆ)』などのいわゆる二次創作、さらに柳亭種彦(りゅうてい たねひこ)作『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』といったパロディ作品が展示され、読むだけにとどまらない『源氏物語』享受の奥深さが窺えました。

本展では国文研が2017年から行ってきたアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラムともコラボしました。2名の若きアーティストが、1年以上をかけて国文研の研究者と『源氏物語』を題材としたワークショップを重ね、その中でそれぞれがインスピレーションを受け創作した美術作品が展示されました。

お2人の作品から『源氏物語』の「現代」における享受の姿を窺い知ることができました。

本展は、ちょうど NHK 大河ドラマ「光る君へ」(2024年放送)の終了直後から開催されたこともあり、関連のトークイベント&ワークショップおよび国文研研究者によるギャラリートーク(全4回)には多くの方にお越しいただきました。

会期中の総来館者数は約6200人。ご来館いただきました皆様に深くお礼申し上げます。