近代の文学

日本史では、明治以降が広く「近代」で、文学史も同様です。徳川幕府に代わった明治新政府の下、欧米諸国に追いつくため急速な近代化が図られました。欧米の文物や思想が一挙に流入し、文学もその影響を直接間接に受けざるを得ませんでした。ここでは、日本古典文学史の締め括りとして、江戸時代までの文学が次第に表舞台から退き、近代文学が本格的に始動する萌しを見せた、明治20年頃までを扱います。

明治時代初期の文学

明治元年~20年(1868~1887)頃の文学。明治維新とともに政治制度・社会制度が大きく転換し、日本の近代が始まります。明治時代前半はまた古い文化と新しい文化の交代期に当たり、文学においても、江戸時代以来の系譜を引く作品と、ヨーロッパ文学の影響を受けた作品が並存していました。近代文学の始まった時期であり、古典文学の時代の終わりとも言えます。

*印は推定。年紀は成立年を示したが近世の一部の書目は刊年を示したものもある。