大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館

在学生・修了生の声

日本文学研究コースの在学生・修了生の声を、コース案内より一部抜粋してご紹介します。
全文はコース案内2023をご覧ください。


修了生の声はこちら

在学生の声

瀧山 嵐さん(2022年4月入学)

充実した研究指導に加え、古典籍を介して教員の発想と着眼点を学べることが魅力

初年度の講義では、国文学研究資料館所蔵の貴重な資料を贅沢に用いながら、古典籍に関する基礎知識をはじめ、資料調査の実践的方法や資料保存の方法論について学びました。初年度から全国各地での調査に赴きましたが、講義で習得した知識や経験が存分に活かされていたと思います。研究指導では、博士論文に関するご指導だけではなく、各種申請書についてのアドバイスもいただき、書類作成のスキルも鍛えられました。

本コースの講義は、知識の習得が主たる目的ではなく、該博な知識と豊富な経験に裏付けされた研究者の発想と着眼点を、古典籍を通して学修するための場であり、時間であると思います。


福原 真子さん(2021年4月入学)

多方面から研究指導を受けられる体制と院生が学び合える環境が魅力

先生方はとても広い視野を持ちながら専門の研究をされており、自分のやりたい事が明確であれば、多方面から導いてくださると思います。

また、学生が自発的に行っている定期的な研究会(通称「院生の会」)などで先輩方の研究に触れられる機会も多く、そこから学ぶことも大きいと感じます。先生方、先輩方も親身に相談にのってくださり、恵まれた環境のもと研究に専念できると思います。

修了生の声

児島 啓祐さん(奈良女子大学研究院人文科学系言語文化学領域 准教授/2022年3月修了)
※2021年度SOKENDAI賞 受賞

文献調査のため全国各地へ。現物を見たからこその発見。

私の研究は『愚管抄』という歴史書を読むことです。これまではずっと活字本を読んできました。ただ文意不通の本文が多いなと気にかかってはいたのです。注釈書や現代語訳を読んでも腑に落ちないことも多々ありました。次第に、そもそも底本に問題があるのではないかと思うに至りました。

そこで思い切って、日本古典文学大系の底本である島原図書館所蔵の写本を見に行ってみたのです。これが私にとっての転機でした。調査してみたところ、島原の『愚管抄』には三種類の料紙が使われていたのです。行数も三種類ありました。つまり、取り合わせ本である可能性が浮上してきたのです。あわせて、本の寸法、外題や題箋、蔵書印などを調べてみたところ、やはり取り合わせの疑いは強まるばかりでした。

そこで各地の『愚管抄』を調査し伝本整理を行って、島原の本を分類してみました。すると確かに三つの本文系統を有することが判明したのです。これまでは完本といわれてきたので衝撃的な発見でした。現物を見なくては決してわからないことでした。

日本文学研究コースを志す方へ 

こうした研究ができたのは、落合先生をはじめとする先生方のお導きと、国文学研究資料館の環境のおかげです。これから本コースで学ばれる方に私がアドバイスできることはほとんどありませんが、尊敬する先輩から幾度もかけていただいた言葉を代わりに贈りたいと思います。「勇気が大事だよ」


陳 可冉 さん(四川外国語大学日本語学院 教授/2012年3月修了)

国文学研究資料館の閲覧室での驚きと感動は学問における自分の原点に。

私の博論は『おくのほそ道』の出典研究からスタートしましたが、芭蕉に影響を与えた林家の著述を調べる中で『本朝一人一首』という日本漢詩のアンソロジーに出会いました。芭蕉と日本漢詩文との関わりを探る重要な糸口であるだけに、俳諧研究においても同書の価値をもっと評価してよいのではないかというのが私見の一つでした。

それとは別に、ある日、資料館の閲覧室で諸本を見比べてみたところ、巻末に黒川玄通なる人物による跋文を有する一本の存在を発見し、『本朝一人一首』という書物の出版経緯も実は曲折に満ちたもので、掘り下げるに値するテーマであることに気がつきました。それ以来、近世前期の文人交遊と書物の出版を中心に研究を続けてきましたが、いつになっても学問における自分の原点はあの日の驚きと感動にあると思います。

一人前の研究者を目指す次世代の若い皆さんも私と同じ、もしくは私以上の思い出を、この立川で作っていただければ幸いです。

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