日本文学研究専攻の在学生・修了生の声を専攻案内より一部抜粋してご紹介します。全文は最新の専攻案内をご覧ください。
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在学生の声
福原 真子さん(2021年4月入学)
多方面から研究指導を受けられる体制と院生が学び合える環境が魅力
先生方はとても広い視野を持ちながら専門の研究をされており、自分のやりたい事が明確であれば、多方面から導いてくださると思います。
また、学生が自発的に行っている定期的な研究会(通称「院生の会」)などで先輩方の研究に触れられる機会も多く、そこから学ぶことも大きいと感じます。先生方、先輩方も親身に相談にのってくださり、恵まれた環境のもと研究に専念できると思います。
伊藤 美幸さん(2020年4月入学)
古典籍の実物に触れながらの講義が多いのは国文学研究資料館ならでは。
学生数が少ないので、講義や指導は一対一で行うことが多いです。また、膨大な資料を所蔵する国文学研究資料館の強みを生かし、実物に触れながら講義を受講することが多いのも特徴です。
近年は、データベースが充実し、古典籍の画像を自宅に居ながら見ることができますが、書物が実在する物である以上、データベースで公開されている情報を手触りなど自分の感覚でもって確かめることが大切です。講義を通して、書物を物として扱う技術を習得し、その書物が作られた時代に遡っていくような、洞察力や感性が養われています。
19世紀の版本を研究対象とする私にとって、実物を見る経験は大変ありがたいですし、このような小さな積み重ねから研究の一歩を踏み出すべき方向性や手応えを得ています。さらに、国立歴史民俗博物館や国立民族学博物館、国際日本文化研究センターといった他の機関で行われている共通科目に参加することで、学問領域の垣根を越えた学びに繋がっています。
修了生の声
大野 順子さん(金沢大学人間社会研究域 准教授/2011年3月修了)
経済面での手厚い支援が「学ぶ際に躊躇わない」余裕を与えてくれました。
国文学研究資料館に所蔵されている豊富な古典籍や研究資料を活用できることは進学する上で大きなメリットですが、これに加えて学生への経済支援も充実しています。
昨今、コロナ禍の教育におけるパソコンの必要性と購入費用の負担が問題になっていますが、日本文学研究専攻では私の在学時からパソコンが一人一台貸与されていたほか、調査用の機材も用意があり、入学初期の負担がかなり軽減されました。
学会参加や調査旅行のための旅費サポートも手厚く、学ぶ際に躊躇わない、好奇心をもって軽やかに踏み出す、そんな余裕をここで手に入れた気がします。
受験を考えている方へ
日本文学研究専攻には、深く、幅広く学び、思う存分研究に没頭できる環境が揃っています。高い専門性を有する充実した指導陣も、幅広い資料文献群も、余すところなく活用し尽くすつもりで進学していただけたらと願っています。
陳 可冉 さん(四川外国語大学日本語学院 教授/2012年3月修了)
国文学研究資料館の閲覧室での驚きと感動は学問における自分の原点に。
私の博論は『おくのほそ道』の出典研究からスタートしましたが、芭蕉に影響を与えた林家の著述を調べる中で『本朝一人一首』という日本漢詩のアンソロジーに出会いました。芭蕉と日本漢詩文との関わりを探る重要な糸口であるだけに、俳諧研究においても同書の価値をもっと評価してよいのではないかというのが私見の一つでした。
それとは別に、ある日、資料館の閲覧室で諸本を見比べてみたところ、巻末に黒川玄通なる人物による跋文を有する一本の存在を発見し、『本朝一人一首』という書物の出版経緯も実は曲折に満ちたもので、掘り下げるに値するテーマであることに気がつきました。それ以来、近世前期の文人交遊と書物の出版を中心に研究を続けてきましたが、いつになっても学問における自分の原点はあの日の驚きと感動にあると思います。
一人前の研究者を目指す次世代の若い皆さんも私と同じ、もしくは私以上の思い出を、この立川で作っていただければ幸いです。