出展 25
源氏物語歌合絵巻 げんじものがたりうたあわせえまき 国文学研究資料館蔵[99-122]
室町時代後期写
巻子本 一軸
二〇・〇×全長七九八・六センチ

【解題】
   『源氏物語』の中から、登場人物三六人の和歌を三 首づつ、全一〇八首選出し、左右五四番に番わせて、 歌合の形式にした秀歌選。A「序」、B「作者目録」、 C「歌合本文」の三部から構成され、伝本によっては、 ABCを完備するものを甲本、Cだけのものを乙本、 ACだけのものを丙本と分類する。本書は、丙本であ る。甲本・乙本に比べると、同じ『源氏物語』中の和 歌ではあるが、大幅に入れ替えがなされており、「一番」 「二番」「三番」と左方の歌を一首づつ挙げた後、「右」 の歌を三首続けて記すという特異な結番の形式をと る。全二九紙からなる。外題・内題なし。但し、記入 されていない金砂子散らしの題簽がある。本文料紙は、 斐楮交漉。墨で輪郭のみ描く白描絵巻はこれまで知ら れていたが、本書のような彩色の作品は、今のところ 類例がない。和歌の作者名に合わせて男性一四人、女 性二二人が描き分けられている。やや古雅な絵柄であ り、室町物語の、特に奈良絵本・絵巻とよく似た様相 を呈している。
(横井 孝)
それ人の心をたねとしてよろつのこと のはしけき中にもむかし上東門院(しやうとうもんゐん)のをん なむらさきしきふかつくりいてたりけんけんし の物かたりになすらふるたくひやまれな らんことはゝ春の花の木々のこすゑにゝほひ をのこし心は秋の月の千さとのほひまても くまなきかことしいろをしりなさけをふく むいへにいつく(れ)かこれをもてあそはさるへき たかきもくたれるも世にしたかふ人のたれ かはこの心をまねはさらんゆふえんのことのはせん へつのなこりあいしやうのゑいふうけつのりよ いつれかこのうちにもれたるこゝのへの雲の上より いやしきしつかきぬたのをとまてわかくにの ことはさのみにあらすこまもろこしのふるき ためしまてかきあらはせりされははしめきり つほにいつれの御ときにかとうちいてたるよりを はりゆめのうきはしにいたるまてまきことに そてのいとまなく心をくたかすといふ事なし うき世をのかれかすならぬ身をすてゝも思ひ なれにしもとの心をなこりにや物さひしかる しはの戸の春のあけほのにはまつきた山のそう つのすみかにてなみたもよほすたきをとかな  みけんけしき思やられて身にしむ風の 秋の夕にはうりんゐんのりしのはうにてねん  つしゆしやうせつ   とうちのへけんこはいろ            も思いつれはまう                  をす□  あんしつ       のまとの中にもほつ しんのなかたちとなとかならさらんされはあなか ちにこれをいとふなけきもあるへからすしいて 又わすれんとしもなけれとも雲にふしあらし にをくる身のもてあそひにはかすくのまき をてにしたかふることもいとたやすからすよりて 此うちあまねく人のくちにうたひつねに我 心にそめる名たかききこえあるおとこ女を三 十六人えらひいたして左右とさためをのく よめる歌を三しゆつゝとりあはせつゝ五十四番に あはせて心あてにおかしきおもかけまてたちそ ひぬるなるへし卅六人といへることはむかし公任(きんたう)の大 大納言はしめてのち代々にあつめてそのかすしけ しといへともひとつをやかてかしこかりしむかしの あとをまなえんはそのをそれをもくや侍らん みちをまなふいまのさかしき人は又もれぬる ★恨もありぬへかめりこれはいつはれるをもとゝす れはたれかよしあしのそねみをものこさんそ のみなもとうきたるをさきとすれはたれとかをも かこたんたゝひとへにきやうけんききよのあやまり なりくらきよりくらき道に入なんことをのみ なけくといへともかへしてはまたさんふつしよう のえんにあらすやひかりにひかりをそへて山 のはの月なとかちやうやのやみちをてらさんかの りう女しやうふつのあとをたつぬれはゆいう一せうの 法よりいてたりいかてかむらさき式部かことのは恨 慈正一女のことはりをそむかんこの道をふかく せん人はをのつからあさむかぬこともやとてもしほ くさかきあつめてかたみのこしにはかなき鳥 のあとをとゝめ侍しなり

 一番 左
 きりつほの御門
宮きのゝ
露ふきむすふ風の
をとにこは
きかもとを
おもひこそやれ
(桐壺院、桐壺)


 二番
たつねゆく
まほろしもかな
つてにても
玉のありかを
そことしるへく
(桐壺院、桐壺)


 三番
いときなき
はつもとゆひに
なかき世を
ちきる心は
むすひこめつや
(桐壺院、桐壺)


 右 あさかほのさいゐん
秋はてゝ
きりのまかきに
むすほゝれ
あるかなきかに
うつるあさかほ
(朝顔、朝顔)

わきてこの
くれこそ袖は
露けゝれ
ものおもふ秋は
あまたへぬれと
(光源氏、葵)

花のかは
ちりにしえたに
とまらねと
うつらん袖に
あさくしまめや
(朝顔、梅枝)


 四番 左 
しゆさくゐん
身こそかく
しめのほかなれ
そのかみの
□□の中は
□□□□□せす
(朱雀院、絵合)


 五番
宮はしら
めくりあひぬる
時しあれは
わかれし春の
うらみのこすな
(朱雀院、明石)


 六番
そむきにし
この世にのこる
心こそ
入山みちの
ほたしなりけれ
(朱雀院、若菜上)


  右 大宮
しもかれの
まかきにのこる
なてしこを
わかれし秋の
かたみとそみる
(光源氏、葵)
なき人の
わかれやいとゝ
へたゝらむ
けふりとなりし
雲ゐならては
(大宮、須磨)
ふたみちに
いひもてゆけは
玉くしけ
わか身はなれぬ
かけこなりけり
(大宮、行幸)


 七番
 左 れんせいゐん
月のすむ
河のをちなる
さとなれは
かつらのかけは
のとけかるらん
(冷泉院、松風)


 八番
雪ふかき
をしほの山に
たつきしの
ふるきあとをも
けふはたつねよ
(冷泉院、行幸)


 九番
なとてかく
はひあひかたき
むらさきを
こゝろにふ□□
思ひそめけん
(冷泉院、真木柱)


 右 あかしの中宮
ひきわかれ
としはふれとも
うくひすの
すたちし松の
ねをわすれめや
(明石中宮、初音)
神人の
ねことにもたる
さかきはに
ゆふかけそふる
ふかき夜のしも
(明石中宮、若菜下)
秋風に
しはしとまらぬ
露の世を
たれか草葉の
うへとのみゝん
(明石中宮、御法)



 十番
左 六条院
見ても又
あふ夜まれなる
ゆめのうちに
やかてまさるゝ
わか身ともかな
(光源氏、若紫)


 十一番
あふせなき
なみたのうみに
しつみしや
なかるゝみおの
はしめなるらん
(光源氏、須磨)


 十二番
あさちふの
露のやとりに
君をゝきて
よものあらしそ
しつ心なき
(光源氏、賢木)


 右 六条のみやす所
袖ぬるる
恋ちとかつは
しりなから
おりたつたこの
みつからそうき
(六条御息所、葵)
大かたの
秋のわかれも
かなしきに
□□ねなそへそ
野へのまつむし
(六条御息所、賢木)
神かきは
しるしの杉も
なき物を
いかにまかへて
おれるさか木そ
(六条御息所、賢木)


 十三番
 左 うす雲の女院
袖ぬるゝ
露のゆかりと
思ふにも
なをうとまれぬ
やまとなてしこ
(藤壺、紅葉賀)


 十四番
から人の
袖ふることは
とをけれと
たちゐにつけて
あはれとは見き
(藤壺、紅葉賀)


 十五番
ありし世の
なこりたになき
うらしまに
たちよるなみの
めつらしきかな
(藤壺、賢木)


 右 秋このむの中宮
きえかてに
ふるそかなしき
かきくらし
わか身それとも
おもほえぬ世に
(秋好中宮、澪標)
しめのうちは
むかしにあらぬ
こゝちして
神代の事も
いまそこひしき
(秋好中宮、絵合)
こゝろから
春まつそのは
わかやとの
もみちを風の
つてにたに見よ
(秋好中宮、少女)


 十六番
 左 ほたる兵部卿宮
なくこゑも
きこえぬむしの
思たに
人のけつには
きゆるものかは
(螢宮、螢)


 十七番
けふさへや
ひく人もなき
みかくれに
おふるあやめの
ねのみなかれん
(螢宮、螢)


 十八番
花のかを
えならぬ袖に
うつしもて
ことあやまりと
とかめむいもや
(螢宮、梅枝)


 右 玉かつらの君
かすならぬ
みくりや何の
すちなれは
うきにしもかく
ねをとゝめけん
(玉鬘、玉鬘)
袖のかを
よそふるからに
たちはなの
見まくはかなく
なりもこそすれ
(玉鬘、胡蝶)
いまさらに
いかならん世に
わか竹の
おひはしめけん
ねをはたつねん
(玉鬘、胡蝶)


 十九番
 左 宇治八宮
うちたえて
心すむとは
なけれとも
世をうち山に
やとをこそかれ
(八の宮、橋姫)


 廿番
山風に
かすみふきとく
こゑはあれと
へたてゝ見ゆる
をちのしらなみ
(八の宮、椎本)


 廿一番
我なくて
草のいほりは
あれぬとも
この一ことは
かれしとそ思ふ
(八の宮、椎本)


 右 おち葉の宮
われのみや
うき世をしれる
ためしにて
ぬれそふ袖の
なをくたすへき
(落葉の宮、夕霧)
われゆかん
草葉の露を
かことにて
なをぬれきぬを
かけんとや思ふ
(落葉の宮、夕霧)
なにゆへか
世にかすならぬ
身ひとつを
うしとも思ひ
かなしともきく
(落葉の宮、夕霧)


 廿二番
 左 にほふ兵部卿
また人に
なれける袖の
うつりかを
我身にしめて
うらみつるかな
(匂宮、宿木)


 廿三番
みねの雪
みきはのこほり
ふみわけて
君にそま□ふ
道はまよはす
(匂宮、浮舟)


 廿四番
いつくにか
身をはすてんと
しら雲の
かゝらぬ山も
なくくそゆく
(匂宮、浮舟)

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 右 おほろ月夜のないしのかみ
心入かたならませはゆみはりの月なき空にまよはましやは
(朧月夜、花宴)
木からしのふくにつけてもまちしまにおほつかなさのほともへにけり
(朧月夜、賢木)
うき身世にやかてきえなはたつねても草のはらをはとはしとや思ふ
(朧月夜、花宴)


 廿五番
 左 女三宮
たちそひてきえやしなましうき事を思ひみたるゝけふりくらへに
(女三の宮、柏木)


 二十六番
あけくれの空にうき身はきえなゝん夢なりけりと見てもやむへく
(女三の宮、若菜下)


 廿七番
うき身に あらぬ所のゆかしくてそむく山路におもひこそ□□  
(女三の宮、横笛)


 右 手な ひの君
かきくらしはれせぬみねのあま雲にうきて世にふる身ともならはや
(浮舟、浮舟)
袖ふれし人こそ見えね花のかのそれかとにほふ春のあけほの
(浮舟、手習)
われかくてうき世中にめくるともたれかはしらん月のみやこに
(浮舟、手習)


 廿八番
 左 むらさきの上
うら人のしほくむ袖にくらへ見よなみちへたつる夜のころもを
(紫の上、須磨)


 二十九番
こほりとちいしまの水もゆきなやみそらすむ月のかけそなかるゝ
(紫の上、朝顔)


 丗番
身にちかく秋やきぬらんみるまゝにあを の山もうつろひにけり
(紫の上、若菜上)


 右 かほる大将
水まさるをちのさと人いかならむはれぬなかめにかきくらすころ
(薫、浮舟)
山おろしにたえぬ木のはの露よりもあやなくもろきわかなみたかな
(薫、橋姫)
たちよらんかけとたのみししゐかもとむなしきとことなりにけるかな
(薫、椎本)


 三十一番
 左 あけまきの大君
鳥のねもきこえぬ山と思ひしに世のうき事はしたひきにけり
(大君、総角)


 丗二番
雪ふかき山のかけはし君ならてまたふみかよふあとを見ぬかな
(大君、椎本)


 丗三番
ぬきもあへぬもろきなみたの玉のをになかきちきりをいかゝむすはん
(大君、総角)


 右 かしは木の権大納言
思ふとも君はしらしなわきかへり岩もる水のいろしみえねは
(柏木、胡蝶)
よそ 見ておらぬなけきはしけゝれとなこりこひしきはなの夕かけ
(柏木、若菜上)
いまはとてもえんけふりもむすほゝれたえぬ思のなをやのこらん
(柏木、柏木)


 三十四番
 左 ゆめのうきはし
きえぬまにかれぬる花のはかなさにをくるゝ露はなをそまされる
(中の君、宿木)


 丗五番
山さとの松のかけにもかくはかり身にしむ秋の風はなかりき
(中の君、宿木)


 丗六番
大かたにきかまし物をひくらしのこゑうらめしき秋のくれかな
(中の君、宿木)


 右 夕かほの上
山のはの心もしらて行月はうはのそらにてかけやたえなん
(夕顔、夕顔)
さきの世の              たのみかたさよ
(夕顔、夕顔)
              たそかれときのそらめなりけり
(夕顔、夕顔)



 丗七番
 左 花ちる里
人めなくあれたるやとはたちはなのはなこそ軒のつまとなりけれ
(麗景殿の女御、花散里)


 丗八番
月かけのやとれる袖はせはくともとめても見はやあかぬひかりを
(花散里、須磨)



 三十九番
くゐなたにおとろかさすはいかにしてあれたるやとに月をいれまし
(花散里、澪標)


 右 げんないしのすけ
たちぬるゝ人しもあらしあつまやにうたてもかゝるあまそゝきかな
(源典侍、紅葉賀)
うらみてもいふかひそなきたちかさねひきてかへりしなみのなこりに
(源典侍、紅葉賀)
としふれとこのちきりこそわすられねおやのをやとかいひしひとこと
(源典侍、朝顔)


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 四十番
 左 ちじの太政大臣
もろともにおほうち山はいてつれと入かた見せぬいさよひの月
(頭中将、末摘花)


 四十一番
それもかとけさひらけたるはつ花にをとらぬ君かにほひとそ見る
(頭中将、賢木)


 四十二番
むらさきにかことやかけん藤のはな松よりすきてうたてけれとも
(頭中将、藤裏葉)


 右 むらさきの上うは
まくらゆふこよひはかりの露けさをみ山のこけにくらへさらなん
(紫の上祖母、若紫)
あらしふくおのへのさくらちらぬまにこゝろそめけんほとのはかなき
(紫の上祖母、若紫)
おひたゝんありかもしらぬわか草をを  す露そ  んそらなき
(紫の上祖母、若紫)


 四十三番 夕きりの大将
 左
風さはきむら雲まよふゆふへにもわするゝまなくわすられぬきみ
(夕霧、野分)


 四十四番
いくかへり露けき春をすくしきて花のひもとくけふにあふらん
(夕霧、藤裏葉)


 四十五番
しもこほりうたてむすへるあけくれにそらかきくらしふるなみたかな
(夕霧、少女)


 右 あかしの上
なをさりにたのめをくめる一ことをつきせぬねにやかけてしのはん
(明石の君、明石)
めつらしや花のねくらに木つたひてたにのふるすをとへるうくひす
(明石の君、初音)
大かたにおきのはすくる風のをともうき身ひとつにしむこゝちして
(明石の君、野分)


 四十六番 ひけくろの大将
 左
心さへ空にみたれし雪のよにひとりさえつるかたしきの袖
(鬚黒、真木柱)


 四十七番
うき事を思ひさはけはさまくに       いとゝ立そふ
(鬚黒、真木柱)


 四十八番
すかくれてかすにもあらぬかりのこをいつかたにかはとりかへすへき
(鬚黒、真木柱)


 右 雲井の雁
かきりとてわすれかたきをわするゝもこや世になひく心なるらん
(雲井雁、梅枝)
あさき名をいひなかしけるかはくちはいかゝもらしゝせきのあしかき
(雲井雁、藤裏葉)
あはれをもいかにしりてかなくさめんあるやこひしきなきやかなしき
(雲井雁、夕霧)


 四十九番
 左 うつせみの君
かすならぬふせやにおふる名のうさにあるにもあらてきゆるはゝきゝ
(空蝉、?木)


 五十番
身のうさをなけくにあかてあくる夜はとりかさねてそねはなかれける
(空蝉、?木)


 五十一番
うつせみのはにをく露のこかくれてしのひくにぬるゝ袖かな
(空蝉、空蝉)



 右 あかしの入道
ひ           ぬやつれくと思ひあかしのうらさひしさを
(明石入道、明石)
なかむらんおなし雲井をなかむれは思もおなし思ひなるらん
(明石入道、明石)
ひかりいてんあかつきちかくなりにけりいまそみし夜のゆめかたりする
(明石入道、若菜上)


 五十二番
 左 あかしのあま君
もろともにみやこはいてきこのたひやひとりのなかの道にまとはん
(明石尼君、松風)


 五十三番
身をかへてひとりかへれるふるさとにきゝしににたる松風そふく
(明石尼君、松風)


 五十四番
おいのなみかひあるうらにたち出てしほたるゝあまをたれかとかめん
(明石尼君、若菜上)


 右 ひたちの宮
きてみれはうらみられけりか  ろ かへしやりてん袖をぬらして
(末摘花、玉?)
なき人をこふるたもとのひまなきにあれたるやとのしつくさへそふ
(末摘花、蓬生)
としをへて松しるしなきわかやとは花のたよりにすきぬはかりか
(末摘花、蓬生)





##
☆甲類と比較して、六十四首が違う歌となっている。
☆紙の継ぎ目が見えなくなっている箇所がある。   で示した。
☆四十六〜八の右方に、紅梅大納言のかわりに雲居雁が入っている。
☆五十二〜四の右方に、弁の尼のかわりに末摘花が入っている。
☆人物呼称は基本的に概ね一致するが、中の君が「ゆめのうきはし」とされる不審あり。
☆「袖」を詠んだ歌が多い?黒字の重出歌にも袖の歌が多いように思われる。
☆青字で示した次の歌は現行の解釈では他の登場人物の詠歌と思われる。
わきてこのくれこそ袖は露けゝれものおもふ秋はあまたへぬれと
 源氏の歌
しもかれのまかきにのこるなてしこをわかれし秋のかたみとそみる
 源氏の歌
人めなくあれたるやとはたちはなのはなこそ軒のつまとなりけれ
 麗景殿女御の歌
おひたゝんありかもしらぬわか草をを  す露そ  んそらなき
 紫の上の祖母の尼の歌