今月の一冊
2008年8月

源氏物語団扇画帖・鈴虫巻
〈げんじものがたりうちわがじょう〉



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【 解題 】
[当館請求記号99-12]
江戸前期写
手鑑1帖。全54図。
38.7×50.6センチ

団扇(うちわ)型の源氏絵54枚が貼られた画帖である。
絵の形から、「源氏物語団扇画帖」と名付けた。
土佐光則〈とさみつのり〉の流れを汲む、江戸時代前期(17世紀後半)の絵と推定される。
これまで全く知られていなかった、新出の源氏絵である。
(解説は、来月につづく。)

今回画像として掲出したのは、「鈴虫」巻の図である。
場所は、六条院・東南の町。季節は夏。光源氏50歳。
女三の宮の主催で持仏開眼供養が催されることとなった。光源氏は、女三の宮のいる西廂を訪れ、仏事の支度を共にするとは思いもよらなかったと話して、香染の扇に「はちす葉をおなじ台と契りおきて露のわかるる今日ぞ悲しき」と書きつけた。
横たわって扇に歌を書き付けているのが光源氏。かたわらには硯箱。尼削ぎの女性が女三の宮。庭では、蓮が花盛りである。

※本画帖については、当館基幹研究「源氏物語再生のための原典資料研究」のメンバーが分析を重ねている。10月に開催する源氏物語特別展において、初公開・初解説を行う予定。



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