今月の一冊
2008年1月

源氏物語歌合絵巻
〈げんじものがたりうたあわせえまき〉




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【 解題 】
請求記号99-121
室町後期写
巻子本1軸
紙高19.8センチ(本紙の紙高は18.4センチ)
外題・内題 ナシ

『源氏物語歌合』は、『源氏物語』の作中人物36名が詠んだ和歌を、54番の歌合としてつがえた作品。平安末〜鎌倉期に流行した『三十六人歌合』『三十六歌仙絵巻』の形式が、『源氏物語』に適用されているわけである。54番という数は、『源氏物語』の巻数に拠るのだろう。

本書は、新出の伝本。室町期の小絵〈こえ〉である。これまで知られていた他の伝本と異なり、序の一部を有し、詞書や詠者一覧を持たない。

『源氏物語歌合』の絵入り本としては、これまで、白描絵巻の存在が知られていたのだが、奈良絵風の彩色がほどこされているのは本書のみであり、重要視される。ただし、本書には、絵の褪色や剥落がまま見られ、紙継ぎ部分に文字の欠落や補入がある点、惜しまれる(或る時期、屏風などに貼られ、それが再び巻子本に仕立て直されたため、と考えられる)。

参考:森暢『歌合絵の研究』(角川書店)、池田利夫「『源氏物語歌合』の伝本と本文」(『古代文学論叢8』武蔵野書院)、樋口芳麻呂『王朝物語秀歌選(下)』(岩波文庫)

※本書は、2008年秋に当館(立川市新館)で開催される源氏物語特別展において初公開いたします。



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