今月の一冊
2006/4

豊国画 絵本時世粧
〈とよくにが えほんいまようすがた〉

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【 解題 】
[当館請求記号 99・113]
半紙本 2冊
21.5×15.2センチ
表紙は、浅黄色地に歌川派の年玉印と式亭印の空押し。
題簽は、「絵本時世□」(坤巻)。
見返しに、薄墨で「画帖時世粧」とあり、「ゑほんいまやうすがた」と振り仮名がある。奥付によれば、享和2年(1802)正月、江戸和泉屋市兵衛刊。

歌川豊国(うたがわとよくに)画の色摺り絵本である。
「しき亭の翁」(式亭三馬〈しきていさんば〉)の序を2種添える。
文章(後文)も豊国作とするが、三馬の添削が加えられたことは間違いないと見られている。

武家・町屋・花街における女性風俗を巧みに描出しており、とくに寛政(1789-1800)頃の女性の生活ぶりを知るうえで貴重な材料である。

『絵本時世粧』には、初印本のほか、乾巻の人物を説明する名標が削られた後摺り本がある。本書は後摺り本であるが、削り取られた空白部に墨で表記を補う。その中には、初印本の表記と微妙に異なるものがあり、興味深い。

複製に、『近世日本風俗絵本集成』本があり、鈴木重三氏の解説を付する。



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