今月の一冊
2006/01

住吉物語
〈すみよしものがたり〉


(回線の種類によっては、ダウンロードに時間が掛かることがあります。)

【 解題 】
[請求記号 99・39]
江戸時代前期写
袋綴装 3冊
29・0×23・8センチ

継子いじめ物語の代表的な作品。
作品の成立は10世紀後半であるが、現存諸本は改作本であると言われる。
異本が極めて多く、諸本研究では6類または4類に整理する。

掲出本は、豪華な絵を有する奈良絵本の一本であるが、本文は、継母の娘たちの袴着を記す場面がなく、継母の娘たちと男君が嵯峨野遊覧の折に鶯の初音を聞いて歌を詠む場面が見えるなど、流布本系ではなく中間本系に属する。
ただし、好色の老人 主計の助に娶されそうになった女君が、難を逃れて身を寄せた住吉で男君と再会し、都へ上っていっくという場面で、中間本系の慶長古活字10行本では「住吉の」の歌の後、女君が琴を弾きながら「ことのねをたつねてかよへ住よしのきしのひめまつ我も恋しき」と思ったことが記されるが、掲出本にはその本文がない。

なお、掲出本の全画像は、当館ホームページの「奈良絵本画像データベース」
http://www.nijl.ac.jp/%7Ekiban-s/html/contents/detabase/naraehongazou_nijl.html
において公開している。



>>今月の一冊のインデックスページへ >>国文学研究資料館のトップへ