今月の一冊
2005/11

十六夜日記
〈いざよいにっき〉

本書は、10/28(金)〜11/18(金)開催の、
人間文化研究機構連携展示《うたのちから─古今集・新古今集の世界─》
にて展示いたします。



(回線の種類によっては、ダウンロードに時間が掛かることがあります。)

【 解題 】
[請求記号 99.21]
江戸時代初期写
列帖装 2帖
23.4センチ×17.0センチ

外題は『十六夜物語』とあるが、内容は『十六夜日記』である。
『十六夜日記』は、鎌倉時代中期に成立した日記文学である。作者は藤原為家〈ふじわらためいえ〉の室であった阿仏尼〈あぶつに〉

表紙は萌黄色地に菊・牡丹・唐草・龍などを織り出した緞子表紙。
左肩に、金泥を引く鳥の子紙の題簽を貼り「十六夜物語 上(下)」と書く。
本文料紙は鳥の子紙で、下絵に金泥で竹・草花・鳥などを描くものが多い。

本文は流布本系の本文である。
やや奈良絵風の、淡彩が施された繊細な挿絵があり、このような絵入写本の『十六夜日記』は極めて珍しい。絵は上帖に5面、下帖に4面あり、本文の内容にあわせた画である。これらの挿絵の構図は、万治2年版本の挿絵(4面のみ有する)と類似する点がある。下帖に小川寿一氏による補写部分2.5丁があり、さらに下帖末には昭和14年に小川氏が記した解説がある。それによればこの本は上野氏旧蔵で、絵は寛永〜正保頃の風俗かという。



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