今月の一冊
2004/9

小敦盛
〈こあつもり〉

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【 解題 】
[請求番号 99・70]
室町末期写 2軸
紙表紙は、紺地に金箔散らし、銀泥で霞等を描く。
料紙は、間似合紙。
上巻は、縦28.2センチ、字高25.5センチ、全長669センチ(表紙・軸付のぞく)、14紙(うち絵6枚)。
下巻は、縦28.5センチ、字高25.5センチ、全長739.5センチ、19紙(うち絵8枚)。

若くして散った平敦盛〈たいらのあつもり〉の遺児 小敦盛を主人公とする物語。
小敦盛が、捨て子となるものの、法然上人に育てられ、母との再会を果たし、亡き父敦盛の亡霊に出会って、出家するまでを描く。『平家物語』巻9「敦盛最期〈あつもりのさいご〉」に取材し、その後日譚を展開したお伽草子(室町物語)である。

掲出本は、赤木文庫蔵『小敦盛絵巻』と、絵・本文とも大略一致する。なお、享保(1716〜1736)頃に刊行された御伽文庫〈おとぎぶんこ〉23篇の中にも「小敦盛」が含まれるが、敦盛討死のくだりは存しない。

掲出箇所は、上巻巻頭の図で、一の谷の海辺から沖に向かって馬を泳がせている敦盛に対し、現れた熊谷次郎直実〈くまがいじろうなおざね〉が、「御返し候へ」とこれを呼び返し闘いを挑む場面。


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