今月の一冊
2004/6

脈語
〈みゃくご〉


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【 解題 】
[請求番号 99-101]
慶長7年(1602)刊 1冊

明の呉崑〈ごこん〉撰。
古活字・無訓植版本。
2巻1冊。
大本、26・7×19・0センチ。
改装丁子茶色表紙。
原見返しは、前方遊紙1丁として存。
一面有界10行、一行19字詰め。
四周双辺。
刊記「慶長壬寅冬日南至 冨春堂 新刊」。

活字は、古拙の風を漂わせる、近世ごく初期の特徴深い書体である。その伝存状況は、杏雨〈きょうう〉書屋(武田科学振興財団)所蔵本のほか極稀。海外では、故宮博物院文献館(台北市)等に所蔵される。

刊者の冨春堂〈ふしゅんどう〉(五十川了庵〈いそかわりょうあん〉)は、翌年の慶長8年に『太平記』40巻40冊を、 慶長10年には伏見版の内の一つ『新刊吾妻鑑』51冊を刊行している。本書はそれらに先行する刊本であり、冨春堂刊本の一番早い例として、極めて重要な資料的価値を有する。また、冨春堂刊本の出版書目の変遷を追う上で、見逃しがたい一本である。

なお、『脈語』は慶長.元和年間にかけて、慶長13年古活字刊本、元和5年梅寿軒刊本の存在を確認することができ、近世ごく初期における、いわば人気のある本の一つであったことが予測される。


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