今月の一冊
2004/10

保元平治物語奈良絵
〈ほうげんへいじものがたりならえ〉

本書は、現在、通常展示《平家物語とその周辺》にて展示中です。
(9/30−10/28)


(回線の種類によっては、ダウンロードに時間が掛かることがあります。)

【 解題 】
奈良絵 全21枚

江戸前期を中心に『平家物語』など軍記物語を縦型の奈良絵本に仕立てた例が見られ、『保元物語』『平治物語』についてもいくつかの伝本が確認される。両作品は通例セットで作成され、各6冊計12冊の形にするのが一般的だったらしい。絵の数は全部で100〜120程度で、本資料はその一部が残存したものと推測される。周囲に金の縁取りがあり、冊子本から直接ではなく、屏風か画帖などに貼られていたものを剥がしたらしい。

いわゆる土佐絵風の緻密な描法で、貞享(1684-1687)〜元禄(1688-1703)頃の制作か。約半数の図柄は、寛永3年(1624)刊本(同一刊記で元版と覆刻版がある)や明暦3年(1657)刊本の挿絵と近似しており、刊本に挿絵のある場合はそれを基にしているようだが、絵師の私意を交えた点も認められる。


>>今月の一冊のインデックスページへ >>国文学研究資料館のトップへ