今月の一冊
2003/10

古活字版 徒然草
〈こかつじばん つれづれぐさ〉

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【 解題 】
[請求番号 99・93]
慶長初期刊 二冊
大本。一面10行、漢字平仮名混じりの草体の古活字版。徒然草の版本としては最も古い版とされる。
色変わりの料紙を使用し、蔦〈つた〉、菱〈ひし〉、鴛鴦〈おし〉などの模様を下絵として雲母〈きら〉摺りを全体に施す。袋綴装。
嵯峨本〈さがぼん〉に先行する、装飾に意を用いた造本として貴重な存在である。
伝本が稀〈まれ〉で、同版の上冊が知られるが(『一誠堂九〇周年記念展示即売会目録』参照)、一部異同がある。同一時の組みだが何らかの理由で組み替えたものだろう。同種活字を使用した『源氏物語』の存在が知られている。古活字刊本の内の一つとして出版史の中に位置づけを行うことができる。

掲出したのは、第225段「多久資が申しけるは」の後半部分と、第226段「後鳥羽院の御時」(右頁最終行〜)。信濃前司行長〈しなののぜんじゆきなが〉について述べられたくだりである。左頁、後ろから3行目下〜4行目に、「この行長入道 平家物語をつくりて」と記されている。


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