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大分合同新聞連載

    平成27年2月5日(木)夕刊 マレガ・プロジェクト報告2 松井洋子

     マレガ神父収集文書群はバチカン図書館で21袋に分けて保存されてきた。それは基本的にはマレガ神父自身が作ったまとまりに基づくものと考えられる。
     今回のプロジェクトではその全てについて、(1)概要調査(袋を開き、現状の写真を撮りつつ、全ての史料に番号を付けて、史料の形や大きさ、虫食いや破れなどの保存状態、マレガ神父によるメモや番号などの情報を記録する)(2)保存措置(今後の保存のため適切な袋や容器に入れ、必要な修補を行う)(3)保存・公開のためのデジタル画像撮影(4)史料1点ごとの内容を含めた基本情報を記した目録の作成―を行う予定である。
     これまでに調査した11袋には、三つの段階のものがあった。一つ目はマレガ神父が出版した「豊後切支丹史料」(正・続)に関係する2袋である。正・続2冊に収録された史料や原稿などに関係する史料が、それぞれ一つの袋にまとめられていた。
     二つ目はマレガ神父が番号を付与し、同じ書式の史料を集めるなど、ある程度整理・分析を行っていた史料(7袋)である。「きりしたん(宗門)御改に付起請文前書之事」(キリシタンでないことの誓約書)、「宗門御改に付家内人数之覚」(宗門改の基礎情報となる藩士の各家の人数届)など藩内各所が提出した同じ表題の文書が多数そろっていた。
     三つ目はマレガ神父が入手した後、十分に整理・研究するに至らなかった史料であり、当時の洋服屋の箱2箱にびっしりと古文書が詰め込まれている様は壮観であった。


    写真:当時の洋服店の箱にびっしりと詰め込まれた古文書群

     史料の入手経緯・出所はさまざまであるが、現在まで出てきたものは臼杵藩の藩庁に保存されていたと思われるものが大半である。これは今回の発見の一つである。これらの文書を整理することで藩の宗門方がどのように文書を作らせ、集め、保管していたのか、宗門改の仕組みや文書管理の仕組みを具体的に見ることができる。
     同じ年に提出された史料がまとまって保存されていることで、ある時期の藩全体の状況をつかめる可能性も出てきた。藩の組織や藩士の編成などについても新たな情報が得られよう。
     キリシタン改に関わる史料のみの収集とはいえ、大量の史料が網羅的に集められていることで、さまざまな
    視点からの分析が可能になるものと期待される。

     (東京大学史料編纂所教授・松井洋子)

    ※ このページの記事は、大分合同新聞に掲載された記事を元に、研究の進展に応じて修正等が加えられています。記事掲載にあたり、中心となって活動した大分先哲史料館と大分合同新聞からの了解を得て作成されています。肩書はすべて当時。

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