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大分合同新聞連載

    平成26年3月24日(月)朝刊 バチカン通信2 平井義人

     カトリック教会の溝部脩さん(別府市出身)が大分教会の神父らとともに県立先哲史料館を訪ねてきたのは、2011年8月18日の昼すぎだった。当時、溝部さんは高知市に在住し、高松教区の司教という重責を担っていた。
     溝部さんと県立先哲史料館は、県立先哲叢書『ペトロ岐部カスイ』作製で交流がある。開口一番、溝部さんは「マリオ・マレガ神父が収集した大分のものと思われる史料がバチカンで見つかった。バチカンの関係者がその詳細を調べてほしいと言っている。一緒に確認に行かないか」と述べた。振り返るとこれが「マレガ・プロジェクト」の第一歩だった。
     12年2月19日、溝部さんと大分教会の神父坂本要さんに案内いただいて、県立先哲史料館から私と村上博秋主任研究員の2人で、バチカンに向けて予備調査に出発した。その結果、バチカンに所在する史料は臼杵をはじめとする大分のキリスト教に関するもので、マレガ神父が「豊後切支丹史料(正・続)」を執筆するために使用した史料がそれぞれ束になって残されていることが確認された。そして、もっと驚いたことには、それ以外にもざっと10倍の規模の史料があり、それらはこれまで全く公開されていない史料群であろうと考えられた。
     調査の最終日、バチカンで図書・史料を統括する立場にあったラッファエレ・ファリーナ枢機卿と史料調査の方向について協議する機会を得た。ファリーナ枢機卿は溝部さんの学友であり、この史料の調査依頼の発信者でもあった。ファリーナ枢機卿からは別れの際に「皆さんの調査のおかげで日本のキリスト教史に関する極めて貴重な史料群であることがわかった。早いうちにまた会いましょう。(この史料の調査・整理について)話し合うためにまた来てくれないか」という言葉を頂いた。
     この予備調査がきっかけとなって、大分はもちろんのこと日本の問題として取り組むべく、バチカン図書館メンバーも含めて、「マレガ・プロジェクト」(人間文化研究機構「日本関連在外資料調査研究事業」)が発足したのである。
     (前大分県立先哲史料館長、平井義人)

    ※ このページの記事は、大分合同新聞に掲載された記事を元に、研究の進展に応じて修正等が加えられています。記事掲載にあたり、中心となって活動した大分先哲史料館と大分合同新聞からの了解を得て作成されています。肩書はすべて当時。

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