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大分合同新聞連載

    平成26年3月17日(月)朝刊 バチカン通信1 大友一雄

    バチカン図書館から豊後のキリシタン関係文書を多数収蔵しているとの情報が2011年にもたらされ、その点数は約1万点にも及ぶことがその後の確認作業を通じて明らかになりつつある。
     江戸時代のキリシタン関係文書がこれほどまとまって確認された例はなく、大分県やキリスト教関係者はもちろん、世界の注目する存在となっている。
     この文書は、1932〜50年まで大分教会に赴任していたサレジオ会の宣教師マリオ・マレガ神父が収集したものである。マレガ神父は、史料集「豊後切支丹史料(正・続)」(1942、46年刊行)の著者としてよく知られているが、史料集に収録された古文書は行方知れずとなり、関係者がその所在を長年探索してきた。未収録の文書が相当量存在したことも、当時のことを知る人々が伝えるところであった。
     マレガ神父は、1902年にイタリアで生まれ、ウィーンやトリノで教育を受け、27年に叙(じょ)階(かい)(聖職者に位を授ける)、29年サレジオ大学神学部を卒業、その年のうちに来日した。大分や別府などで伝道に当たりながら、古事記など日本の古典をイタリア語翻訳で初めて紹介した。
     さらに、マレガ神父は豊後のキリシタン研究を本格化させ、踏み絵、キリシタン墓地に関する論文を日本とイタリアで発表した。墓地研究は、大分各所を実際に調査し論文にまとめたもので、おそらく本格的な豊後のキリシタン墓地研究はマレガ神父に始まるといってよかろう。また、豊後のキリシタンの歴史を世界に紹介してくれた最初の人ということになる。
     バチカン図書館での文書調査は6年計画で実施し、その成果に基づき全ての古文書の画像はインターネットで誰もが利用できることを目指す。
     願わくば、現在、大分の地域に残される古文書類がしっかりと保存され、誰もが利用できるようになることを期待したい。バチカン図書館が全面的な公開を認めてくれたが、日本に現存する古文書類が保存されなかったり、公開されないという状況になることは、大変残念なことである。
     バチカン図書館に存在する古文書類は、戦前・戦中に旧所蔵者が手放したものをマレガ神父が歴史文化的な価値の重要性に鑑み、これを収集して、戦火などを避けて本国に送ったものである。
     自らの歴史や文化に関わる記録をいかに後世に伝えるのか、マレガ神父収集文書の存在は、それを問い掛けているように思われるのである。
     (マレガ・プロジェクト代表、国文学研究資料館教授・大友一雄)

    ※ このページの記事は、大分合同新聞に掲載された記事を元に、研究の進展に応じて修正等が加えられています。記事掲載にあたり、中心となって活動した大分先哲史料館と大分合同新聞からの了解を得て作成されています。肩書はすべて当時。

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