催し物

特設コーナー

通常展示の一部のスペースを使って、当館所蔵の作品を展示いたします。

新収の春日懐紙
会期:平成28年6月20日(月)〜平成28年7月12日(火)
休室日:日曜日・祝日
※平成28年度からは土曜日も開室します。

 春日懐紙[かすがかいし]は、鎌倉時代、奈良の春日社[かすがしゃ](現在の春日大社)周辺で行われた歌会[うたかい]に使用された和歌懐紙[わかかいし]です。和歌懐紙とは、歌会の際、自分の詠んだ歌を書き留めて持参したものです。歌会が終わると、これらの懐紙は用済みになりますが、当時は紙が貴重な時代、春日社の摂社[せっしゃ]である春日若宮社[かすがわかみやしゃ]の神主[かんぬし]中臣祐定[なかとみのすけさだ]は、この使用済みの懐紙の裏を利用して、『万葉集』を書写しました。袋とじにされたこの万葉集は、祐定の家に永らく保存されていましたが、江戸期に流出し、加賀前田家に入ります。そこで、万葉集の裏にあった和歌懐紙が注目され、綴[と]じが外され、再び和歌懐紙の形に戻されました。裏表[うらおもて]、ともに奈良春日社に縁があることから、和歌懐紙は春日懐紙、裏に写された万葉集は春日本[かすがぼん]万葉集と呼ばれるようになりました。
 当館所蔵の春日懐紙は、全部で31枚ですが、そのうち25枚は平成8年度に入手したもので、今回展示されているのは、その後当館に入った6枚です(平成24、25年度購入)。


特設コーナーの様子


展示ケース1
ケース@

<春日神主親□[かすがかんぬしちか□]>1-1

  大中臣親泰[おおなかとみちかやす]。大中臣姓[おおなかとみせい]は、春日社関係の人物。親泰の懐紙は13枚が現存。「初雪[はつゆき]」「冬恋[ふゆこい]」は、冬の歌題[かだい]。この歌題の懐紙は6枚が現存する。

<主殿助時助[とのものすけときすけ]>1-3

  大中臣時助[ときすけ]。春日社関係の人物。詳細は不明。時助の懐紙は2枚現存。
「雪朝待友[ゆきのあさ ともをまつ]」「野亭冬月[やていのとうげつ]」「寄歳暮恋[せいぼに よするこい]」は、冬の歌題。この歌題の懐紙は、5枚現存する。

親□
時助


1-1                                     1-2

展示ケース2
ケース2

<学詮[がくせん]>2-1

 学詮。春日社付近の興福寺(こうふくじ)などの僧侶か。詳細は不明。学詮の懐紙は8枚現存。「雪[ゆき]」「恋[こい]」は冬の歌題。この歌題の懐紙は3枚が現存する。

<実眼[じつげん]>2-2 

 実眼。春日社付近の興福寺[こうふくじ]などの僧侶か。詳細は不明。実眼の懐紙はこの懐紙のみが現存。「早鶯趁竹[そうおう たけを おう]」「春草漸萌[しゅんそう ようやくに もゆ]」「山有余寒[やまに よかん あり]」は、初春[しょしゅん]の歌題。この懐紙の歌題は6枚現存する。

学詮
実眼


2-1                                     2-2

展示ケース3
ケース3

<兵庫助祐方[ひょうごのすけすけかた]>

 中臣祐方[なかとみのすけかた]。中臣姓[なかとみせい]は、春日若宮社関係の人物。祐方は、春日本を書写した中臣祐定の嫡男[ちゃくなん]。後に若宮社神主となる。祐方の懐紙は14枚現存。「舟中郭公[しゅうちゅうのほととぎす]」「故郷五月雨[ふるさとのさみだれ]」「近隣恋[きんりんのこい]」は、夏の歌題。この歌題の懐紙は6枚が現存する。



展示ケース4
ケース4

<縁弁[えんべん>

 この懐紙だけ平成25年度購入。縁弁。春日社付近の興福寺などの僧侶か。詳細は不明。縁弁の懐紙は11枚現存する。「田家螢火[でんかほうか]」「忘(荒)屋水鶏[こうおくの くいな]」「寄狂歌恋[きょうかに よする こい]」は、夏の歌題。この歌題の懐紙は9枚現存する。



問い合わせ先: 国文学研究資料館企画広報係
TEL.050−5533−2910 FAX.042−526−8604 
E-mail:

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