歴史的典籍NW事業

       

共同研究

共同研究について   Collaborative Research


    明治という時代を迎える前までに書かれ、読まれてきたおびただしい量にのぼる日本の古典籍は、西欧近代との本格的な接触によって大きく変容する以前の日本の生活と文化を留め、それを後世に伝えていく貴重な文化資源です。日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットーワーク構築計画は、国内外の多様な分野の研究者が参加した研究ネットワークを作り上げることによって、この日本古典籍の厖大な集積に新たな研究の光を当て、それらを知的資源として活用していくことを目的としています。この目的に向け、本計画においては、すべての分野を網羅する30万点の日本古典籍の全文画像データベースの構築に国内の諸大学と共同して取り組むとともに、多様な分野の研究者に開かれた先導的な共同研究を実施していきます。

Pre-modern texts that were written and read up to the beginning of the Meiji era that exist in vast numbers and provide a record of life and culture in Japan before changes triggered by wide-ranging contact with modern times in the west and are, therefore, a valuable cultural source that serves to covey such aspects of Japan to future generations. The “Project to Build an International Collaborative Research Network for Pre-modern Japanese Texts” aims to create a research network with the participation of researchers in a wide range of fields in both Japan and overseas, thereby shedding light on the enormous amount of pre-modern Japanese texts through new research and making them available for use as intellectual resources. During the process of achieving the goals of the project, the task of building a database comprising images of 300,000 pre-modern Japanese texts covering all fields will be undertaken hand in hand with universities in Japan and pioneering research open to researchers in a wide diversity of fields will be conducted.


  国際共同研究
  公募型共同研究
  拠点主導共同研究  
  機構内連携共同研究
  研究開発系共同研究
  異分野融合共同研究

	


国際共同研究    International Collaborative Research

海外の研究者を中心に日本文化を総合的に研究するテーマに取り組む、日本古典籍を広い視野から利活用する共同研究です。

■江戸時代初期出版と学問の綜合的研究
A comprehensive study of publishing and learning in the early Edo period

研究代表者:ピーター・コーニツキー(ケンブリッジ大学 アジア中東研究学部 名誉教授)
Representative Researcher : Peter KORNICKI (Emeritus Professor of Japanese,
University of Cambridge)


    日本の書物文化の産物である書籍の研究は、豊富に資料の伝存する日本国内所蔵の資料を中心に検討が重ねられてきたが、海外の図書館・博物館などにも多くの古典籍が保存されており、その中には日本では既に失われてしまったものも少なくない。しかしながらそうした在外資料は充分に活用されているとは言えない。例えば、近年刊行された最も充実した江戸時代初期の出版データの集成である岡雅彦等編『江戸時代初期出版年表 天正十九年~明暦四年』(勉誠出版 2011)には天正十九年(1591)から明暦四年(1658)までに出版された古活字版と整版本が編年で網羅されており、同時代の出版事情を考える際の基礎データを提供するが、同書には在外資料の情報はほとんど含まれていない。同書編集の際の調査範囲の制約はあったかとは思われるが、稀覯の古活字版などの重要資料については更なる調査範囲の拡大とデータの追加補訂の必要がある。欧州、北米、韓国、台湾、中国などにも日本の古典籍は数多く保管されており、そうした資料の十全な調査と活用によって、日本における印刷文化・書籍文化とその動態をより詳細に検討することが可能となる。
    本研究では、上記の課題を補う基礎作業として、欧州、北米、韓国、台湾など各地の研究者や司書と協力してその所在のデータを収集し(近世初期に享受された医学書・和算・暦などの技術書、当時の需要に基づいて多産された仏書を含む)、既に国文学研究資料館から発信されているウェブ版の (1)コーニツキー版欧州日本古書総合目録の充実を図る。また、現在確認できている在外資料を重点的に調査しその検討を行うことによって最も効果的に新たな知見を得ることの期待される領域であり、かつ日本の書物印刷の歴史のうちで未解明部分も多い下記の個別テーマによる研究課題を設定する。
    (2) 古活字版の研究:在外所蔵の古活字版そのものの書誌学的検討とともに、活字本と製版本の比率の比較など、東アジアにおける出版文化の国際的比較研究も併行して行う(研究会の課題として取り組む)。
    (3) 和解・抄本・諺解などの俗語訳の状況の整理と研究:活用される書物の実態の把握を目的として、俗化した書物に関する研究視角の探求とそれらがなされる社会的背景や動機などに関する検討を行う。
    (4) 附訓本の研究:附訓植版(振り仮名や訓点の小型活字を利用した古活字版)や附訓活字版(漢字と振り仮名が一つの活字になったルビ付き活字が使用されている)などを対象に、日本の印刷にまま見える特殊な印刷方法である附訓本の出版点数や使い分けの理由などについて検討を加える(これらの書籍は従来ほとんど研究対象とされてこなかった)。
  これらの課題により、近世読者が出版側によってどのように創造されていったのか、また、その創造された読者の要求にどのように応えていったか(読者の便宜がどのように図られたかなど)といった、書肆と読者の相互関係の理解が進み、近世以前からの伝統(とりわけ仏書など)や知識の再編成の実態や新たな傾向(古活字版の終焉時期の再検討など)などが見出されることが期待される。
    また、書籍それ自体に却って見れば、標記・書体の制作状況の実態の把握やことなるジャンルの書籍の間を横断的に検討することによって文体・語彙の差違と同一性、書物の構成の差違と同一性などについても見渡すことが可能となる。
    なお、上記の課題は、現在、国文学研究資料館、国立国会図書館、早稲田大学図書館などから提供されている書誌データや画像のデータベースを効果的に利用し、対象資料の同版/異版などの判断や関連資料データの蓄積やその編年を含む資料性の同定などを行う。あわせて、コーニツキー版欧州日本古書総合目録の更なる充実によって、それらのデータベースを利用する際に比較検討されるべきデータの補完の役割を果たすことを期す。


■境界をめぐる文学―知のプラットフォーム構築をめざして―
Borders and Japanese Literature: Constructing a Platform of Knowledge

研究代表者:ハルオ・シラネ (コロンビア大学 東アジア言語文化学部 教授(学部長))
Representative Researcher : Haruo SHIRANE (Shincho Professor of Japanese
Literature Chair, Department of East Asian Languages and Cultures, Columbia
University)


    日本文学の研究成果や研究情報は、ともすれば日本語による発信に傾きがちであり、国際的に十分な共有・活用がなされていない憾みがある。研究成果を国際的に共有し得るプラットフォームの構築こそ喫緊の課題であり、公共性の高い国文学研究資料館にとって重要な任務の一つだといえよう。
 本研究ではこの課題を達成する手段として、英文によるオンライン・ジャーナルの創刊(PDF)およびそれを軸とした継続性のある国際共同研究の推進をめざす。「境界」をテーマとする共同研究を行うとともに、ジャーナル発刊のノウハウを蓄積し、創刊号(特集「境界」)を当館のウェブサイトから発信する。誌上には①メンバーによる研究論文、②学会誌等に掲載された関連文献の書評、③参考文献の研究情報等に加え、なるべく多くの資料画像を収載する。

ページTOPへ戻る 



公募型共同研究    Solicited Collaborative Research

一般公募による共同研究です。

■草双紙を中心とした近世挿絵史の構築
Construction of history for illustrations based on Kusa zoshi

研究代表者:佐藤 悟(実践女子大学 文学部 教授)
Representative Researcher : SATO Satoru (Professor, Faculty of Literature,
Jissen Women’s Educational Institute)


    「日本語の歴史的典籍」の重要部分である版本は文字だけではなく、挿絵も大きな役割を果たしていた。挿絵の重要性については近年とみに指摘されているが、その研究状況は貧弱といわざるを得ない。挿絵研究に先駆的な役割を果した水谷不倒『古版小説挿画史』(大岡山書店、1930年)は今日でも近世小説の挿絵研究の基本文献とされている。しかし根拠に乏しい記述も多く、再検討が必要な時期に来ている。またそれ以降、個々の作品についての研究は進んだものの、Jack Hillier“The art of the Japanese book”(Sotheby's Publications,1987)以外は総合的な挿絵史の研究は皆無といってよい状況にある。
    草双紙は享保期から明治中期まで継続的に出版されているため、時間軸に沿った近世挿絵史の構築が容易である。草双紙は同時代の出版物の中では最下層に位置づけられ、絵入浄瑠璃本、芝居絵本、浮世草子、八文字屋本、読本、上方絵本といった他ジャンルの作品の影響を最も受けやすいものであった。草双紙の挿絵は鳥居派、奥村派、勝川派、歌川派、池田派、北斎派などその時代を代表する画工たちが担当し、これらの画工は草双紙以外のジャンルでも多くの作品を残している。
    上方絵本については西川祐信、大岡春卜、耳鳥齋らの挿絵を研究することにより、江戸と上方の相互の影響関係を検証することが可能になり、重層的な近世挿絵史を構築することを目的とする。

It has not simply been characters but also illustrations that have played a major role in woodblock-printed books, a crucial component of pre-modern Japanese books. The importance of illustrations has only been just indicated in recent years, and the breadth of research is still lacking. “Kohan shosetsu sogashi (A History of Illustrations in Old Novels)” (Ookayama Shoten, 1930) by Futo Mizutani, a pioneer in research on book illustrations, is, even now, considered the seminal work for book-illustration research in early modern novels. However, there are many poorly-backed assertions, and the time has come to re-evaluate this work. Research has advanced since that time, however, there has been no comprehensive research on the history of book illustrations outside of Jack Hillier's “The Art of the Japanese Book” (Sotheby's Publications, 1987).
Works in the kusazoshi genre saw continuous publication from the Kyoho era (1716-1736) up to the mid Meiji Period, and this has made it simple to construct a history of early modern book illustration along a temporal axis. The kusazoshi genre was ranked at the lowest level among published works during this time, and was the most susceptible to influences from works in other genres, such as eirijoruribon, shibaiehon, ukiyozoshi, hachimonjiyabon, yomihon, and kamigataehon. Key artists from the schools of Torii, Okumura, Katsukawa, Utagawa, Ikeda and Hokusai were commissioned for the book illustrations in the Kusazoshi genre, and these artists contributed numerous other works in genres outside of the kusazoshi.
Researching the book illustrations of Sukenobu Nishikawa, Shunboku Ooka, Nichosai in kamigataehon will allow for the verification of the mutually-influential relationship between Edo and Kamigata, and serves to build a stratified history of early modern book illustrations.

【ホームページ Homepage】
実践女子大学 文芸資料研究所
 

■近世日本を中心とする東アジアの理学典籍に関する国際共同研究
International Collaborative Research relating to East Asian Writings on Science with the Focus on Japan in Early Modern Times

研究代表者:小川 束(四日市大学 環境情報学部 教授)
Representative Researcher : OGAWA Tsukane (Professor, Faculty of
Environmental and Information Sciences, Yokkaichi University)


   本研究は国内的・国際的に現在意義の高い課題の研究を目指すもので、以下を主な目的とする。
(ア)近世日本の数学書に現れた語彙の国語学的研究。
 金塊を意味する「金子」、純粋でないことを意味する「偏駁」など辞書にない語彙がある。これには国語学者との協働が必要であり、今回の研究は絶好の機会と捉えることができる。
(イ)海外の研究者との共同研究。
 海外の研究者の日本の理学書に対する見方は、日本人のそれとはまた異なったものであり、示唆される点も多い。この点に国際的な共同研究の一つの意義がある。
(ウ)書名、術語の標準英訳を確定する研究。
 典籍研究の国際化には英語表記の統一が必須である。たとえば現在、『大成算経』にはComplete Book of Mathematics やGreat Accomplished Mathematical Treatise など、内容を斟酌した英訳、字義に即した英訳があるが、これでは研究が国際化した際、混乱の元である。研究の国際化には日本が率先してその統一を図ることが重要であり、喫緊の課題となっている。
(エ)重要理学典籍のテキスト化、現代語訳および英訳。
 理学典籍の現代語訳は特に軽視されがちであるが、現代語訳は史料の正確なテキスト化と理解が十全になされてはじめて達成されるものであり、研究の成果の一つである。
(オ)残存理学典籍の調査・研究。
 『国書総目録』に記載されていない数学書も存在する。海外に収蔵されている典籍もあることから、可能な場合は調査・研究する。

This project aims to research highly-significant current issues both domestically and internationally, and holds the following chief objectives:
(a) Japanese linguistic research on terminology appearing in early modern Japanese math texts
There is terminology that cannot be found in the dictionary, such as kinsu (金子), to mean gold bullion, and henpaku (偏駁), to mean impure. There needs to be collaboration among Japanese linguistics scholars on this, and this research can be thought of as a golden opportunity for such collaboration.
(b) Joint research with researchers overseas
Researchers overseas have a different perspective on Japanese scientific classical texts than Japanese researchers. There are numerous points for suggestion, and this is one significant factor for international joint research.
(c) Research to establish standard English translations for the titles and nomenclature of classical texts
There must be consistency in English translations for the internationalization of classical text research. For example, there are English translations of the “Taisei Sankei” that consider the content, such as 'Complete Book of Mathematics', and others that are mere literal transliterations, such as 'Great Accomplished Mathematical Treatise'; and, these can be a source for confusion when extending research internationally. This is a crucial issue for the internationalization of research and it is important for Japan to take the initiative in unifying these English translations.
(d) Text conversion, Modern Japanese and English translation of important scientific classical texts
The modern Japanese translation of scientific classical texts tends to be particularly looked down upon; however, the translation of historical texts are attained as a result of this research, only when precise text conversion and accurate understanding of the source material are done.
(e) Survey/research of extant scientific classical texts
There are mathematical texts that are not indexed in the “Kokusho Somokuroku” (General Catalog of National Books). Since there are some classical texts in foreign repositories, further surveying and research shall be undertaken.

【ホームページ Homepage】
関孝和数学研究所


■紀州地域に存する古典籍およびその関連資料・文化資源の基礎的研究
Basic Research into Pre-modern Japanese Texts in the Kishū area and related Documents and Cultural Resources

研究代表者:大橋 直義(和歌山大学 教育学部 准教授)
Representative Researcher : OHASHI Naoyoshi(Associate Professor, Faculty
of Education, Wakayama University)


    高野山・熊野三山を始めとした古刹を多く有する和歌山県内には、未だ学界に知られることのない古典籍・文化資源が残されているはずであることは誰しもが想像するところである。現状では、和歌山県立博物館・同県立文書館・和歌山市立博物館、そして本研究計画を申請・遂行する中心でもある和歌山大学紀州経済史文化史研究所の研究活動や、先学各氏による調査研究活動(一例として興山寺聖教調査団編『和歌山県紀の川市真言宗御室派 安楽山興山寺蔵聖教目録』2006等)によって、漸次見いだされ、報告されてはいるものの、その全体像を把握するには及んでいない。さらに、和歌山県内に所在する寺社等に関わる県外所在典籍類にまで視野を広げるならば(例えば大須真福寺所蔵の高野山・熊野三山に関連する典籍については『真福寺善本叢刊』として結実はしたが)、その全貌を把握することは至難とせざるをえない。
 そう言わざるをえない理由の第一には、和歌山県という土地へのアクセスの悪さと、いずれの寺社・特殊文庫にどの程度の古典籍・文書類および文化資源が存するのかという情報の不足・不備があることはもちろんである。しかしながら、そのこと以上に、厖大かつ多岐にわたる文化資源を有する地域においては不可欠な、国文学研究と他の研究領域──訓点語学・歴史学・仏教史学・美術史学・文化人類学・経済産業史学・人文地理学といった人文・社会科学系諸領域との情報共有を旨とした「地域研究」を遂行する土壌が、和歌山県については成り立ってこなかったという点を指摘せねばならない。そのことは、国文学研究の内側、例えば中世文学研究と上代文学研究(主に『万葉集』研究)とにおいてでさえ情報共有がほとんどなされてこなかった点にも示されており、まして異なる研究領域間における情報共有は絶無に等しい。すなわち、和歌山県をめぐる領域横断的地域研究の不在が、同県にかかわる古典籍・文化資源の全貌把握を困難にしている一因と見るべきである。
 このような状況を背景にして立案した本研究計画においては、和歌山県とその周辺地域(和泉・河内・大和)を含めた「紀州地域」について、中世国文学研究および文献学を基軸としつつ、上代・中古文学分野(あるいは南方熊楠研究まで)をも視野に収めながら、上記の人文・社会科学系諸領域の研究者と協働し、その研究成果を学界に広く公開することによって、「紀州地域学」の立ち上げと促進・啓蒙をはかることを第一の目的としている。また、その過程において調査を行う「紀州地域」に所在・関連した古典籍類および有形無形の文化資源についての仮目録を整備・公開し、これらについての全貌を把握するための基礎的段階とする、その端緒を拓きたい。

With its abundance of ancient temples such as Koyasan and Kumanosanzan, Wakayama Prefecture can be easily imagined to presist pre-modern Japanese books and cultural resources that are still unknown to the academic world. Although at present these are gradually being discovered and reported due to the research activities of the Wakayama Prefectural Museum, the Wakayama Prefectural Archives, the Wakayama City Museum, and the Kishu Economic and Cultural History Research Institute at Wakayama University - which is spearheading the application process and execution of this research project - as well as through the investigative efforts of previous researchers (for example, the 2006 “Catalog of sacred texts stored at Arayama Kozan-ji - Shingon Omuro sect, Kinokawa City, Wakayama” compiled by the Kozan-ji Sacred Texts Research Group), an understanding of the overall picture regarding these texts has not yet been attained. Furthermore, if we widen our perspective to include writings existing outside the prefecture but concerning temples and shrines within Wakayama (writings stored at Osu Shinpuku-ji that were related to Koyasan and Kumanosanzan, for instance, bore fruit in the form of the “Shinpukuji zenpon sokan”), we have to accept the fact that grasping the full picture is next to impossible.
The foremost reasons for this conclusion are of course the poor access to areas of Wakayama Prefecture as well as insufficient or inaccurate information regarding the existence and extent of pre-modern Japanese books, documents, and cultural resources housed at the various temples, shrines, and other special libraries. However, it must be pointed out that perhaps even more critical than these is the fact that Wakayama Prefecture has not established itself as a viable place for accomplishing “regional research” aimed at the sharing of information between the realms of Japanese literature research and other areas of study such as Japanese orthography, history, Buddhist history, art history, cultural anthropology, economic and industrial history, descriptive geography, and other cultural or social science fields - research which is essential for a region possessing vast and wide-ranging cultural resources. This point is demonstrated by the marked dearth of information-sharing even between areas within Japanese literature research such as medieval literature and ancient literature (chiefly Man’yoshu research), to say nothing of the total lack of sharing of information among completely different research areas. In other words, this absence of lateral regional research between areas of study in Wakayama should be seen as one of the reasons that gaining a comprehensive understanding of the pre-modern Japanese books and cultural resources associated with the prefecture is problematic.
Designed with these circumstances in mind, this research project will establish philology and the research of medieval Japanese literature regarding the “Kishu region” (which includes the prefecture of Wakayama and surrounding areas (Izumi, Kawachi, Yamato) as its criteria - while at the same time also incorporating the fields of ancient/medieval literature (and possibly studies of Kumagusu Minakata) - and make its primary objective the launching, promotion, and familiarization of “Kishu Regional Studies” through cooperation with researchers in the various humanities and social science fields listed above and the wide dissemination of their research results to the academic community. In addition, we would like to inventory and publish uncatalogued pre-modern Japanese books as well as both tangible and intangible cultural resources related to or existing in the Kishu region being investigated via the above processes, paving the way for a fundamental understanding of their current overall status.

【ホームページ Homepage】
紀州地域学共同研究会

■近世日本科学史典籍の国際的再評価に向けた基盤研究
Basic Research aimed at the International Evaluation of Japanese Scientific Texts in Early Modern Times

研究代表者:佐藤 賢一(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)
Representative Researcher : SATO Ken-ichi (Associate Professor, Graduate
School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications)


   本研究の目的は、伝統的な典籍研究(書誌情報採録・翻刻・解題・等々)を近世日本科学史の領域にも浸透定着させることを第一とし、さらに他分野との連携を強化し、国際的な日本典籍研究のネットワーク化に向けた基盤構築を行うことである。
 具体的には、全国各地、あるいは海外に散在する近世日本科学史関係典籍(理学・医学・本草学・洋学・他)の書誌情報を再調査し、他分野の典籍研究と共通の議論を可能とする標準化作業を進める。また、これらの新たに得られた書誌情報を元に、海外に向けて日本科学史に関する学術情報を発信し、新たな日本学の基盤整備や日本学研究者養成に向けた支援を実践する。

The primary objective of this project is to allow traditional literary research (such as the recording, reprinting, and annotation of bibliographical information) to penetrate and take root in the field of Japanese modern science history as well; additional goals include enhancing cooperation with other disciplines as well as building the foundation of an international network for Japanese literary research.
Specifically, the project will re-examine bibliography information for publications related to Japanese modern science history (physical science, medical science, herbalism, Western learning, etc.) scattered across the country and abroad, promoting a standardization process which will enable shared discourse with literary researchers in other fields. Based on this newly obtained bibliographical data, scholarly information related to Japanese science history will also be disseminated abroad, establishing a new foundation for Japanese studies and supporting the development of young researchers in that field.



■日本漢詩文における古典形成の研究ならびに研究環境のグローバル化に対応した日本漢文学の通史の検討
Analysis of the Formation of a Japanese Canon of Sinitic Prose and Poetry and Compilation of a Comprehensive History of Sinitic Literature in Japan for Use in a Global Research Environment

研究代表者:合山 林太郎(慶應義塾大学 文学部 准教授)
Representative Researcher : GOYAMA Rintaro(Associate Professor, Faculty of Letters, Keio University)


研究の概要: 本研究は、日本の漢文学について、日本文学領域における研究の蓄積をグローバルな研究環境に発信し、国際的な研究を促進するものである。具体的には、次の2点について考察する。
1、日本漢文学における"名詩"や"名文"と呼ばれる作品が、いつ、どのような過程を経て定まっていったのかを分析する。また、そのような検討を通じて、日本漢詩文についての研究や評価の文脈を明らかにし、その知見を、国内外の研究者と共有する。
2、最新の研究成果を反映し、かつ、世界の様々な国や地域の研究者によって共有可能な日本漢文学の通史(古代~近代)を検討する。
以上の分析は、国文学研究資料館の歴史的典籍データベースを積極的に参照しながら、また、文学以外のテキストをも視野に入れつつ総合的に行われる。

研究の背景: 漢詩文は、古典中国語の知識があれば、日本語に習熟していなくとも理解可能であり、また、中国をはじめとする海外の文学と密接な関わりを持っている。その意味で最も国際的に共有されやすい日本文学の形式の一つと言える。
    実際に、近年、日本漢詩文は、国際的な関心を集めている。たとえば、中国の古典文化と緊密な関係を有していることから、中国において精力的に研究されている。また、欧米の学会においても、日本漢文学に関する発表が頻繁に行われている。とくに、中国と、日本、韓国、ベトナムなどの漢文文化を共有する周辺の国々とを、広域の文化圏として捉え、その中での書籍の流通などについて考察することが盛んである。
    ただし、そのようなか、問題も生じてきている。たとえば、日本側からの情報発信が不十分なため、日本漢文学に関する国内での研究の蓄積が、議論の基礎や枠組みとして十分活用されていない。また、日本の歴史資料にアクセスすることが容易ではないため、研究者が、漢文学の資料を参照しつつ、自身の着想を検証することに、なお困難が伴っている。
    グローバルな研究環境においては、異なる学問観により、それぞれの資料から様々な知見が引き出されることが期待されるが、最もそうした検討が期待される日本漢文学の領域において、必ずしも有効な議論がなされていない。このような状況を打開し、東アジアの文化研究や、日中・日韓の比較文学研究など、多様な学問的な関心によって、日本漢詩文資料が活用されるための国際的研究基盤を作ってゆく必要がある。
    本研究の代表申請者は、国内外の学会に参加するなかで、上記のような問題があることを感じ、日本国内の漢文学の研究動向について海外で紹介するなどしてきた。今回の共同研究において、関係する研究者の協力を得つつ、より大規模な形で、その解決や是正を行うことを企図している。

Abstract: This joint study project aims to perform a comprehensive study of Japan’s Literary Sinitic (also referred to as Classical Chinese or Literary Chinese, Kanbun, Kanshibun) corpus, disseminating the research accumulated in the field of Japanese literature to the global research community.
This project has the following two main goals.
1. The analysis of when and how a canon of Sinitic prose and poetry by Japanese authors took shape. Through this analysis, we will clarify the historical context of research and appreciation of Literary Sinitic works in Japan, sharing these results with researchers inside and outside Japan.
2. The construction of an overall history of Japanese-produced Literary Sinitic texts from ancient to modern times, using the latest research results. This new history is intended to promote research worldwide.
This study will make active use of the National Institute of Japanese Literature’s database of classical books. Texts outside the realm of literature will be also considered.
Background history: Global research into Literary Sinitic written by Japanese is expected to develop more rapidly than that concerning other pre-modern Japanese texts, due to its strong connection with China and other Asian countries, including Korea and Vietnam. These materials can be studied not only by researchers in Japan but also by researchers of Literary Sinitic worldwide.
Researchers abroad have recently shown a great deal of interest in these texts. For example, scholars in China are actively studying Japan’s Literary Sinitic works, mainly focusing on the elucidation of relationships with their own literature. Within the Western academic context as well, articles and books concerning Sinitic prose and poetry in Japan have been published in increasing numbers, and conferences devoted to the topic have been held with greater frequency. Popular in particular are investigations into the effects of the circulation of texts within the wide Sinitic cultural sphere, which covers China and its neighboring countries.
Though these developments bear eloquent testimony to heightened interest worldwide in academic exploration of Japan’s Literary Sinitic traditions, several issues call out for improvement. Insufficient effort to disseminate Japanese scholarship has meant that the accumulated fruit of research in Japan is not always referred to by researchers who are based abroad. Inaccessibility of Japanese historical books and documents can also create difficulties for these researchers when examining and checking their ideas with evidence.
It is important to overcome these difficulties and promote the study of Japan’s Literary Sinitic texts within the global research community. In particular, an international research infrastructure must be established to improve access to Literary Sinitic texts and to enable academic resources to be shared by researchers of various fields, such as comparative study between Chinese and Japanese or Korean and Japanese literature.
Having encountered challenges similar to those described above, the research director has introduced current trends in Japanese scholarship in this field at academic conferences abroad. He now plans to revise those ideas and work toward developing solutions via this larger-scale collaborative research.

 

ページTOPへ戻る 

拠点主導共同研究      Collaborative Research by Base Domestic Institutes

国内拠点の研究者が研究代表者となり、拠点の研究者を中心に研究組織を構成して実施する共同研究です。

■法華経の日本での享受についての研究

研究代表者:浅田 徹(お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科
教授)
Representative Researcher : ASADA Toru (Professor, Graduate School of
Humanities and Sciences, Ochanomizu University)

    『法華経』がわが国の風土に降り立つには、日本人の言葉に姿を変え、日本の社会の中に根を下ろす必要があった。このことを、宗教史・古典文学・日本語史・美術史・書道史・芸能史など多様な観点から跡づける。扱う時代としては、古代・中世を中心とする。海外からの研究者も招へいし、国際シンポジウムを開催する。


■日本の歴史的典籍の画像データベースを利用した国際的教育プログラムの開発

研究代表者:飯倉 洋一(大阪大学 大学院文学研究科 教授)
Representative Researcher : IIKURA Youichi(Professor, Osaka University
Guaduate School of Letters)

    国文学研究資料館の画像データベースが国際的に活用されるためには、海外の日本研究者が、くずし字の解読能力を身につける必要がある。このことに関心のある海外の研究者・図書館関係者らの、画像データベース活用やくずし字教育に関する現在の取り組みについての情報を収集する。その情報を基に、具体的にくずし字解読学習支援ソフトの開発試作を進める。また国際・学際シンポジウムなどで、画像データベース活用のための議論を重ねる。


■「見立て」と日本文化の諸相

研究代表者:福長 進(神戸大学 大学院人文学研究科 教授)
Representative Researcher : FUKUNAGA Susumu (Professor, Guaduate School of
Humanities, Kobe University)

    「見立て」とは、ある対象を、それを支えるコンテクストとは別のコンテクストに据え直して位置づけ、意味づけることである。その際、別のコンテクストに、その対象との類似関係によって対照されるものを見定め、両者を二つのコンテクストが交差するところで捉える比喩論的認識・想像(創造)である。「見立て」は、日本文化のあらゆる局面に現象し、その基底をなす認識の方法である。これまでの特定の分野における「見立て」研究の成果を踏まえて、さらに深化拡充すべく、日本文学・日本語・日本史・美術史・社会学・英文学の諸領域で本研究課題に自覚的に携わってきた国内外の研究者と共同研究を組織し、古典籍データベースを活用して、個別の対象に即しながら多角的に、しかも通時的に「見立て」の機能や創造性を明らかにするとともに、「見立て」が機能する前提となる共有された教養・規範・記憶とのせめぎ合いあるいは共犯関係について検討を加え、文化的認識としての「見立て」を切り口にして日本文化の内質を考察する。


■西欧および近代日本における日本「古典」の受容のあり方についての研究~南方熊楠を視座として~

研究代表者:千本 英史(奈良女子大学 研究院人文科学系 教授)
Representative Researcher : CHIMOTO Hideshi(Professor, Division of Humanities
and Social Sciences, Nara Women's University)

    「古典」が書物という形態を通して、「日本」という枠組みをどのように形成してきたか、それが、明治期を通してどう変化し、立ち上げられたかについて、具体的・実証的に南方熊楠という一個人に焦点をあてつつ、検討する。
    熊楠は漱石や芳賀矢一と同じく明治に入る直前に生を受け、その一生は明治から始まり戦前期昭和の終わりに至る。それは、ちょうど写本・版本文化が活字印刷文化へと変貌していく過程そのものだった。彼は西欧への留学経験を通して、日本を「外側」から見つめることによって、形成期の日本の学術を相対化しえた学徒であり、日本古典の紹介者としても活動した。一方帰国後は田辺に定住し、その死までほぼ一貫してそこを離れることがなかった。田辺は古代から水陸交通の要衝として知られ、文化的独立性も現在とは比較にならないほど高く、管野スガや荒畑寒村が籍を置いたことで知られる初期社会主義運動の拠点としての新聞「牟婁新報」(社主の毛利柴庵は高山寺住職)が発行されるなど、特徴ある地域性を持つ。こうした中で、「古典」がいかに受容されていったかについて、多角的な検討を行う。

ページTOPへ戻る 



機構内連携共同研究     Collaborative Research within Organization

人間文化研究機構内の国立歴史民俗博物館、国際日本文化研究センター、国立国語研究所及び国文学研究資料館の4機関が連携して実施する共同研究です。

【総合書物学 - General Bibliography】

■アジアの中の日本古典籍-医学・理学・農学書を中心として-
Japanese Pre-modern Texts Within a Broader Asian Context: A Closer Look at Medical, Scientific, and Agricultural Manuals

研究代表者:陳 捷(国文学研究資料館 研究部 教授)
Representative Researcher : CHEN Jie (Professor, Research Department,
National Institute of Japanese Literature)

    日本の古典籍は中国、朝鮮半島の文化を受け入れながら誕生し、その後も中国・韓国などとの文化接触によってさまざまな発展・変化を重ねてきた。そのため、アジアの書物文化に対する理解は日本古典籍の特質を把握する際において大変重要なことだと思われる。しかしながら、近代以降の学問の細分化により、同時代・同分野の古典籍でさえも著者の国・地域により異なる学科の研究対象になってしまい、それによって、アジアの書物文化の関係性の中において認識すべき重要な事実が見逃されてしまうおそれがあり、古典籍研究の進展にとって大きな障碍となっている。
     第一期として、日本古典籍の重要な分野であり、しかも現代の社会生活にも密接な関係をもつ医学・理学・農学書に焦点を合わせ、中国・韓国・琉球・ベトナムなどの書物文化と比較しながら、その成立・流通・享受などの過程におけるさまざまな問題を考察し、内容と形態の両方から日本の医学・理学・農学書の特徴について再検討を行う。

Pre-modern Japanese books were influenced by the cultures of China and the Korean Peninsula and subsequently continued to develop and evolve through further contact with the cultures of those and other countries. For this reason, an understanding of Asian literary culture is extremely important when trying to gain a picture of the characteristics of pre-modern Japanese books. That being said, the fragmentation of scholarship in modern times has resulted in a situation where pre-modern books, even those of the same area and in the same field, have become subjects for research by different departments depending on the country or region of origin of the authors, presenting the risk of important facts that should be recognized in relationships with Asian literary cultures being overlooked and this represents a major impediment to the development of research into pre-modern books.
During the first phase of the project, with the focus on texts on medicine, physical sciences and agriculture that are not only important fields covered by pre-modern Japanese books, but also bear a close relationship with life in modern society, the literary cultures of countries and regions such as China, Korea, the Ryukyu Islands and Vietnam will be compared and various issues arising in processes including their formation, circulation and acceptance considered after which the unique features of Japanese texts on medicine, physical sciences and agriculture will be reviewed from the perspectives of content and form.


■日本古典籍の書誌概念と書誌用語の国際化
Internationalization of Bibliographical concept and Terminology on Pre-modern Japanese Texts

研究代表者:落合 博志(国文学研究資料館 研究部 教授)
Representative Researcher : OCHIAI Hiroshi (Professor, Research Department,
National Institute of Japanese Literature)

    本研究は、日本の古典籍に関する従来の研究成果を踏まえ、特に書誌概念と書誌用語について実際の資料に即して再検討し、合理的で汎用性のある書誌概念と書誌用語を制定することによって、日本の古典籍の世界への発信に向けて、古典籍の利用環境の国際的な整備を促進することを目的とする。
    日本の古典籍については、これまで様々な研究が重ねられてきたが、それらの間にはしばしば概念や用語の不統一と混乱が見られ、考察の不十分な点もなお少なくない。広範なジャンルの古典籍を対象とする画像データベースの構築に当たり、学問分野の違いを超えた統一的な用語の制定は必須であり、それとともに、概念や用語の国際化のために、洋書や漢籍の書誌との整合性も考慮する必要がある。日本語の書誌概念や書誌用語が曖昧さと不統一性を抱えていては、正確な外国語訳もありえないことから、現状における混乱を収拾し、国際化に備えた基盤作りを行うことを期して、本研究を構想した。
    具体的には、日本古典籍の書誌用語について、特に問題の多い事項を優先的に取り上げて従来の諸説を比較し、例えば「奥書」「識語」のように人により定義・用法が異なる場合や、「列帖裝」と「綴葉裝」のように同じ書誌事象に対して複数の用語が並存している場合、どのような定義・用法、用語が適切かを検討する。また同時に、書物の形態的構成要素と内容的構成要素が十分区別されていないなどの現状を踏まえ、書誌概念の体系を考え直す。
    最終的な目標として、検討の結果をまとめた『標準版 日本古典籍書誌用語集』を作成し、併せて、主要な書誌用語について英語による解説を掲載する。そのために、第二年度の前半を目処に叩き台を作成し、その後各分野の専門家や古典籍調査の経験の深い識者等を招いて意見を聞き、改良を加える形で研究を進めて行く。日本語による書誌概念・書誌用語の定義及び解説の整備と並行して、英文解説の準備を行う。

During this project, based on the results of research to date on pre-modern Japanese books, reviews matched to actual materials will be conducted with particular emphasis on an overview of bibliography and bibliographical terminology to establish a rational and general-purpose bibliographical glossary with the aim of promoting the international organization of an environment for the use of pre-modern Japanese books in preparation for their international dissemination.
Although a wide range of research undertakings into pre-modern Japanese books has been conducted, a lack of uniformity in overviews or terminologies between such undertakings is frequently observed and it is not uncommon to see insufficient consideration of certain points. In building an image database that will comprise pre-modern books from a broad diversity of genres, it will be essential to establish uniform terminology that will go beyond differences in academic fields and also to consider conformity with bibliographies of western and Chinese books, for example, in order to internationalize overviews and terminologies. Since vagueness and lack of uniformity in Japanese bibliographic overviews and terminologies will make it impossible to realize accurate translations into foreign languages, this project was conceived in the hope of identifying and dispelling points of confusion in the current situation to create a foundation in preparation for internationalization.
In concrete terms, items of bibliographical terminology that are particularly problematic will be identified on a priority basis and compared to existing views and opinions; for example, in cases where definitions of and terminology for terms such as “Postscript” or “Preface” differ depending on the author, or multiple terms exist for the same bibliographical phenomena such as “Retchoso book binding” or “Testuyoso book binding,” consideration will be given to appropriate definitions, methods of use and terminology. At the same time, bibliographical overview architecture will be reconsidered in cases where, for example, structural elements of the form and content of books are not properly segregated.
The final goal will be to gather the results of studies and create a “Bibliographical Terminology for Pre-modern Japanese Books” and, at the same time, include explanations of the main bibliographical terms in English and Chinese as appendices. To achieve this goal, a tentative plan will be formulated with sights set on the second year of the project and, subsequently, persons such as specialists and learned experts with extensive experience in investigations into pre-modern books will be invited to present their opinions so that improvements can be made as the research advances.


■日本古典籍コードの国際標準化
International Standardization of Codes for Pre-modern Japanese Texts

研究代表者:山本 和明(国文学研究資料館 古典籍共同研究事業センター 特任教授)
Representative Researcher : YAMAMOTO Kazuaki (Specially Appointed  
Professor, Center for Collaborative Research on Pre-modern Books,
National Institute of Japanese Literature)


    プロジェクト「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」を推進するにあたり、重視すべきは、いかに日本古典籍の画像データを活用してもらうか、またその活用実績が可視化されることにより、さらなる研究動向を生み出すかという点にある。研究者が古典籍を用いた場合、所蔵先を明示したとしても、その資料に他の研究者がたどり着くのが困難であった。しかし、今回のプロジェクトでは画像が提供される。従って、どのような手立てを講ずるべきかは、検討すべき課題であろう。
    今回、本研究では具体的に、簡易でわかりやすい典籍についてのコード、また画像コードを提供することが利用者の利便に直結するものであると考えた。かつ、さらに関連する事柄の画像を、そのコードを用いて検索してゆくことができれば、活用の可能性は大きく広がってゆくと構想した。利用者は居ながらにして、論文等に用いられている資料の確認ができるとともに、関連する書物を次々に視野に納めてゆけるのである。
    また、他分野の研究者とも協働し研究が進められてゆく中で、コードを見るだけでも本の所在・性格を知ることができれば、議論・検討を円滑に進めることが可能となり、成果のすみやかな公開につながる。また公開時に、画像コードを示すことで直接資料にアクセスすることが可能となれば、昨今問題となっている画像の取り違えといった初歩的なミスは起こりえない。
    現在用いられている "文庫コード-請求記号" はユニークに特定することが可能ではあるが、上述のような機能を果たすために、今後も有効であるのか。どのようなコードが、活用の可能性を最大限に引き出せるのか。また、国際標準として通用するのか。本共同研究では、それを探り、実用化と国際的な標準化にむけての検討を研究組織メンバーのみにとどまらず協議していきたい。
    国文研研究者と、図書館司書資格を有するセンター職員が互いの経験を生かして主としておこなう。このことは文学分野と図書館情報学分野という異分野融合的研究の試みの一つと位置づけることができよう。

In promoting the “Project to Build an International Collaborative Research Network for Pre-modern Japanese Texts,” the focus must be on how pre-modern Japanese book image data should be used and how to create a trend for further research through visualization of the results of such usage. In the past, when researchers used pre-modern books, even in cases where the location where such books were stored was cited, it was difficult for other researchers to actually track down the materials. However, this project will make images of such books available and, therefore, the issue of what kind of methods should be employed needs to be considered.
In concrete terms, it was considered that the provision of codes or image codes for pre-modern books that were simple and easy to understand would make the database convenient for its users. Moreover, it was conceived that the ability to use these codes to conduct additional searches for images of related matters would further broaden the potential for usage. This project will make it possible for users to not only check materials used as reference for undertakings such as theses, but also broaden the scope to other related books.
In addition, in the process of conducting research in collaboration with researchers in other fields, the ability to find the location and nature of books by simply checking codes will promote smooth discussions and studies, leading to the speedy publication of results. Furthermore, when results are published, the ability to enable direct access to materials simply by showing image codes will eliminate the possibility of making errors that have presented problems in the past such as acquiring the wrong image.
While the “Library code call number” system currently in use enables unique identification of materials, will it be effective in the future to realize the functions outlined above? What kinds of code will achieve the greatest usage potential? Moreover, will such codes be compatible with international standards? During collaborative research conducted on this project, these issues will be closely examined, and studies aimed at realizing practicality and international standardization will be discussed, not limited only by members of the research organizations involved.
Researchers of Japanese literature and section staff of the center qualified as librarians take a central role in applying their respective experiences to the project. The project can, therefore, be ranked as an experiment in transdisciplinary research involving the different fields of literature and library and information science.


■書誌学・文献学の再構築
Reconstitution of Bibriography and Philology

研究代表者:谷川 惠一(国文学研究資料館 研究部 教授)
Representative Researcher : TANIKAWA Keiichi (Professor, Research
Department, National Institute of Japanese Literature)



■青少年に向けた古典籍インターフェースの開発
Development of Juvenile Interface on Pre-modern Texts

研究代表者:小山 順子(国文学研究資料館 研究部 准教授)
Representative Researcher : KOYAMA Junko (Associate Professor, Research Department, National Institute of Japanese Literature)



■古代の百科全書『延喜式』の総合書物学研究―多分野協働をめざして
Research into the General Bibliography of the Engishiki (Procedures of the Engi Era-Japanese Book about Laws and Customs)- With the Aim of Multidisciplinary Collaboration

研究代表者:小倉 慈司(国立歴史民俗博物館 研究部 准教授)
Representative Researcher : OGURA Shigeji (Associate Professor, Research
Department, National Museum of Japanese History)


    本共同研究の研究対象である『延喜式』は、延長5(927)年に完成し、康保4(967)年に施行された、全50巻、条文数約3500条におよぶ古代の法制書である。三度にわたって編纂された式のうち、『延喜式』は古代の基本資料として知られているが、その規定の中には、神社や祭祀、儀礼における調度品や食料など、さまざまな物品が登場し、さながら「古代の百科全書」ともいえる内容を持つものでもある。それゆえ、古代史のみならず文化史、科学史といった他の研究分野からも注目されるべき資料と言える。だがその内容は難解なものが多く、『延喜式』の持つ豊かな情報が多くの研究者によって共有されているとは言い難い状況にある。
    国立歴史民俗博物館が所蔵する田中穣氏旧蔵典籍古文書には『延喜式』が含まれている(その他、鎌倉時代写の三条西家旧蔵『延喜式』巻50も蔵する)が、これは土御門家旧蔵で、江戸時代初期に書写された写本である。近世の書写ではあるものの、全巻揃った善写本として価値が高く、現在刊行中の『訳注日本史料 延喜式』(集英社)でも底本として使用されている。
    そこで本研究では、同写本を主たる研究対象として総合書物学の観点から研究を進めることとしたい。具体的には、他に蔵される諸写本や版本等の調査を踏まえつつ本文の検討、また『延喜式』の受容史・研究史等にまで及んだ検討をおこない、さらに現代語訳や英訳など、『延喜式』を日本古代史にとどまらない諸分野で活用できるような方法を模索する。将来的にはネットでの情報発信をめざす。なお、言うまでもないことではあるが、単なる過去の研究の公開ではなく、最新の研究成果を踏まえ、かつこれからの研究の発展の礎を築くことが目標となる。

Completed in 927 and enforced 967, the Engishiki, the subject of this research, is a 50-volume book about Japanese laws and customs covering approximately 3500 provisions. Of the three editions produced, the Engishiki is known as a basic document of ancient times, and the rules set out therein make mention of a wide range of objects and items such as furnishings and food used, for example, in temples, at religious festivals and rituals, so that, from its content, the work can be thought of as an “encyclopedia of ancient times.” For this reason, the Engishiki is regarded as a work that has attracted attention not only the field of ancient history, but also in fields of research including the history of culture and sciences. However, the abundance of information it contains is not shared by many researchers, because much of the content of the Engishiki is difficult to understand.
Then, the main purpose of this project is to promote extensive use of the Engishiki in various fields that go beyond Japanese ancient history. For this purpose, the research from general bibliographical perspective is needed based on the copy that the National Museum of Japanese History owns. This Engishiki is part of the Yutaka Tanaka Collection of Ancient Books and Writings. It was transcribed in the early part of Edo period and was formerly owned by the Tsuchimikado family. This Engishiki is highly valued as quality copy of all 50 volumes, even though it was copied in modern times, and is used as the original text for the Engishiki : Annotate Japanese History currently in print (Shueisha Inc.). The studies will be conducted into the main text based on investigations of materials such as various copies and woodblock printed books and extended to encompass area including the history of receptivity and research into the Engishiki. Additionally, methods such as translation into modern Japanese and English to enable use of the Engishiki in various fields that go beyond Japanese ancient history will be explored.
The goal is to build a foundation for the development of future research based on the latest research results.


■表記情報と書誌形態情報を加えた日本語歴史コーパスの精緻化
Refining the Corpus of Historical Japanese with Information on Notation and Bibliographical Form

研究代表者:高田 智和(国立国語研究所 理論構造研究系 准教授)
Representative researcher : TAKADA Tomokazu (Associate Professor,
Department of Linguistic Theory and Structure, National Institute
for Japanese Language and Linguistics)


    文献学と言語計量の手法により、言語単位(単語、文節、句、文など)と表記・書記単位(仮名字体、漢字字体、連綿文字列、句読点等表記記号など)と書物や版面の形状(装丁、料紙、版型、頁遷移、行遷移など)との相関関係を明らかにする。

The objective of this research is to apply philological and quantitative linguistic measurement techniques to elucidate the interrelation between language units (e.g. words, clauses, phrases, text) and expressive and graphemic components (Kana fonts, Kanji character fonts, unbroken character strings, expressive symbols such as punctuation marks) and the form of materials such as books and printing plates (binding, writing paper, format, pagination, line transition).


■キリシタン文学の継承―宣教師の日本語文学
Literary Legacies of Kirishitan Culture: Missionary Writings in the Vernacular

研究代表者:郭 南燕(国際日本文化研究センター 海外研究交流室 准教授)
Representative Researcher : GUO Nanyan (Associate Professor, Office of
International Research Exchange, International Reserach Center for
Japanese Studies)

    本研究は、1860年代から21世紀まで来日した外国人宣教師が日本語で刊行した作品群が近代日本に与えた影響を検討するものである。
    1549年のザビエルの来日に始まるキリスト教伝道は、とりわけ安土桃山・徳川時代初期の日本に広汎な影響を及ぼし、人口2千万のうち70万人を改宗させることに成功した、日本史上「最大の社会運動・文化運動」と考えられている(海老沢有道『キリシタン南蛮文学入門』1991年)。キリシタン時代の伝道、教育、殉教などを記録したキリシタン文学は、室町末期から徳川初期にかけて著された書物群として残されただけでなく、1860年代以降に来日した宣教師たちが日本語で著述した書籍においても、その精神は継承されている。それらの作品は、基督教の伝道、西洋思想と科学の紹介、日本語の創造的運用、 そして異文化的視点からの日本文学・文化の理解という点で特徴的なキリシタン文学の精神を大きく発展させ、多言語性と多文化性に富んだものであり、近代日本文化の一部となっている。
    本研究は、宣教師(カトリック、プロテスタント)の日本語文学を、そうした書物が成立するまでの各段階(著述、印刷、出版、流布、受容)において考察し、近代日本の宗教、政治、思想、社会、教育、言語、文学、美術、地図、音楽、芸能などへの波及効果を解明する。また、その独自性と普遍性の双方を理解するために、宣教師の中国語文学・韓国語文学との比較をも行う。

This research aims to discover the influence on modern Japanese society of the vast number of books in the Japanese language written by foreign missionaries who came to Japan between the 1860s and 2000.
The spread of the Christian faith in Japan, starting with Francis Xavier’s arrival in 1549, had a wide-ranging impact on Japanese society, especially during the Azuchi-Momoyama and Tokugawa periods. About 700,000 people out of the general population of 20 million were converted to Christianity. This spread of the Christian faith is considered to be the “biggest social and culture movement” in Japanese history (Ebisawa Arimichi, Kirishitan Nanban Bungaku Nyūmon, 1991). The books belonging to the genre of Kirishitan bungaku, documenting missionary activities, education, and martydom, were written mainly between the end of the Muromachi period and the beginning of the Edo period. But their legacy was carried on by the missionaries who came to Japan after the 1860s and wrote thousands of books in the vernacular. These books spread Christianity, introduced Western thought and science, creatively used the Japanese language, and interpreted Japanese literature and culture from different cultural perspectives. They not only critically developed the spirit of the earlier Kirishitan bungaku, but also became part of Japan’s modern culture by adding multi-linguistic and multi-cultural characteristics.
This research will examine the whole process of writing, printing, publishing, disseminating, and accepting these books in Japanese by Catholic and Protestant missionaries, and will analyse the influence they have had on Japan’s religion, politics, thought, society, education, language, literature, art, maps, music and performing arts. In order to better understand what makes them both unique and at the same time universal, comparative studies of missionary writings in the Chinese and Korean languages will also be included.

【書物の文化学的研究 - Cultural Research into Books】

■表記の文化学-ひらがなとカタカナ-
A Cultural Study of Writing: Hiragana and Katakana

研究代表者:入口 敦志(国文学研究資料館 研究部 准教授)
Representative Researcher : IRIGUCHI Atsushi (Associate Professor,
Research Department, National Institute of Japanese Literature)

    現代の文章表現においては、主にひらがなを使用し、外来語などをカタカナで表記する。それぞれ、役割を分担していると言える。しかし、歴史的典籍においては、その表記は単に役割で使い分けられていたわけではない。例えば、『平家物語』にはひらがな本とカタカナ本が存在する。内容に関しては同じである。つまり、内容の伝達という事から言えば、どちらも同じと言える。しかし、書物として見た場合、どう表記しているかで書物の位相が異なる。書く者、読む者、所有する者の身分や格式が反映していると考えられる。表記される文字種は、歴史的に見ればその文化的役割は大きく異なっていた。
    電子化が進む中、メディアとしての書物の終焉が言及されることも多くなった。しかし、上記のとおり、歴史的典籍は内容を伝えるだけの単なるメディアではなく、そのもの自体も文化的役割を担っていたのである。そのことが忘却されつつある今、もう一度日本の歴史的典籍を表記の面から見直すことは、喫緊の課題であろう。
    本研究では、主に医学書や本草書などの科学分野の書物を採り上げ、「カタカナ(漢字)」と「ひらがな」とがどう使い分けられているかを分析する。大量の画像データの分析を通して、内容の高度さや実用性、また、著者や所蔵者の身分、造本や体裁との関係など、モノとしての書物と表記の問題を多角的に考察する。
    また、国際的な観点を導入のため、韓国における漢字とハングルの問題、中国における漢字とそれ以外の民族文字との問題など、東アジアにおける表記の問題をも考察対象とし、日本語との対象研究を試みる。

Modern written expression uses mainly Hiragana with Katakana principally used to write words of foreign origin, thus, the role of each type of notation can be seen as clearly delineated. However, use of these notations is not so simply delineated in pre-modern Japanese books. For example, versions of the “Heike Monogatari (Tales of Heike)” written in Hiragana and versions written in Katakana exist, although the content remains the same. In other words, it can be said that both versions are identical in terms of the conveyance of content. However, when looking at both versions as books, the book ranking differs depending on the expressive notation used. It can be said that this difference reflect the social standing or status of their authors, readers and owners. Looking at the matter from the historical perspective, their cultural role differed widely depending on the types of characters used.
It has often been said that advancing digitization heralds the demise of books as media. However, as touched on above, rather than simply fulfilling the role of media the purpose of which is to convey content, pre-modern books themselves fulfill cultural roles. In these days when this aspect is fading in our memories, surely the review of pre-modern Japanese books from the perspective of their expressive notations is an exigent matter.
During this research, books in the field of sciences, particularly books on medicinal herbs and illustrated books will be examined and the different uses of “Hiragana” and “Katakana (or Kanji)” analyzed. Through analysis of a vast number of image data, the diversity of books as objects and the problems of expressive notations will be studied in relation with the sophistication and practicality of the content as well as elements such as the social status of persons such as authors and owners, book bindings and styles.

ページTOPへ戻る 

研究開発系共同研究    Collaborative Research for Development

検索機能の高度化等の推進を目的とした、共同研究です。

■検索機能の高度化に係る総合的研究

国立情報学研究所  ・  国文学研究資料館
National Institute of Informatics  /  National Institute of Japanese Literature

研究代表者:北本 朝展(国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 准教授)
Representative Researcher : KITAMOTO Asanobu (Associate Professor, Digital Content and Media Sciences Research Division, National Institute of Informatics)

   歴史的典籍画像の利活用を一層促進するため、タグ付けによらない検索機能の高度化(画像検索機能の導入等)に取り組む。「①タグ付けによらない検索機能の高度化に関する基礎的研究(主として画像検索)」及び「②先進性の高いシステム構築に基づくデータ配付に関する研究」の2つのテーマに重点を絞って実施する。①は、人の感性といったレベルではなく、コンピュータが得意とする技術を活用して「刷りの年代順の確定」や「本文異同の確定」を自動的に判断するシステムの研究開発をする。また、②は、オープン化した古典籍画像及び書誌データを、研究者等が利活用しやすいよう検索機能とダウンロードシステムの高度化を図る。


■典籍画像からのテキスト化とキーワード抽出に関する研究

公立はこだて未来大学  ・  国文学研究資料館
Future University-Hakodate  /  National Institute of Japanese Literature

研究代表者:寺沢 憲吾(公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 准教授)
Representative Researcher :TERASAWA Kengo (Associate Professor, Department of Media Architecture, Future University-Hakodate)

   歴史的典籍画像には、文字だけでは知ることのできない多様な情報が数多く含まれており、人文学の枠を超え、自然科学系の諸分野においても、画像情報を活用した新たな研究が期待されている。歴史的典籍画像が研究に利活用されるためには、検索機能の高度化が必須であり、タグ付けの充実が求められている。また、タグ付けによらない検索、絵検索も求められている。
  タグ付け作業は、現在、研究者が本文を読みながら行っているが、多大な時間と労力を要する作業である。タグ付け作業の効率化について、ある特定分野の資料を集め、そこから半自動的に頻出キーワードを抽出し、それにもとづき研究者がタグと認定することで、タグ付け作業を機械的に行える可能性について検討する。本共同研究の研究代表者である寺沢の「文書画像検索システム(画像の形から類似の形を抽出可能なシステム)」を応用することで、タグ付け作業の一部を機械化し、作業の効率化を目指す。また、システム情報科学分野の研究者と人文社会系の研究者との異分野融合的な共同研究として、新たな研究の展開を見いだしていきたい。そこから絵検索、更にテキスト認識などの実装まで行ければと考えている。


■古典籍画像を対象としたメタデータ記述/アノテーションに関する研究    

一橋大学  ・  慶應義塾大学  ・  国文学研究資料館
Hitotsubashi University  /  Keio University  /  National Institute of Japanese Literature

研究代表者:林 正治(一橋大学 情報基盤センター 助教)
Representative Researcher : HAYASHI Masaharu (Assistant Professor, Center for Information and Communication Technology, Hitotsubashi University)

   本研究ではウェブに分散して公開された古典籍画像に対する統合アノテーション/プレゼンテーションを可能にするメタデータ記述モデルの開発とその実証実験を目的とする。具体的には次の3つの課題―1.異なる複数機関に所蔵された古典籍画像に対するアノテーション/プレゼンテーションを可能にする機関横断的な統合システムの実現、2.古典籍画像のファイル形式やサイズに依存しない共有可能なアノテーション/プレゼンテーションモデルの実現、3.古典籍画像に対するアノテーション永続性問題、の解決に取り組む。分散した画像に対するメタデータ(基本アノテーション)にもとづき,半自動的なプレゼンテーション生成を可能とするとともに、そのプレゼンテーションシステムを通して第三者による追加アノテーションやその共有・再利用を容易にするものである。また、アノテーションモデルにはW3C Annotation Working Groupが標準化を進めようとしているOpen Annotation Data Modelをベースに、開発することを計画している。これにより、特定のクライアント、サーバ、アプリケーションに非依存の、汎用的でオープンなモデルの構築を実現できる。本モデルの実証実験としては、統合システムによる幸田成友(1873-1954)の旧蔵書「幸田文庫」の再現という形で、纏まった形での成果となりうるものを計画している。現在、「幸田文庫」は慶應義塾大学と一橋大学の2機関に分散所蔵されており、泣き別れ状態となっている。本統合システムを応用することで、2機関に分散所蔵された「幸田文庫」から仮想的な統合「幸田文庫」を実現するとともに、前述の3つの課題に対する本モデルの有効性を検証することとする。なおその成果発信の場として、国文研の「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」でのDBを視野に置いたものである。


■「新古典籍総合目録データベース」のマルチリンガル化対応のための基礎研究

立命館大学  ・  国文学研究資料館
Ritsumeikan University  /  National Institute of Japanese Literature

研究代表者:赤間 亮(立命館大学 文学部 教授)
Representative Researcher : AKAMA Ryo (Professor, College of Letters, Japanese Literature Program, Ritsumeikan University)

   国文学研究資料館では、「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」を、2013年度から進めている。この計画では、歴史的典籍画像30万点をWEB上に公開することで、日本研究に新しい地平を築いていこうとするものであるが、とりわけ、歴史的典籍を活用して、国際共同研究を促進するのが大きな課題となっている。
   この研究計画の基盤システムとしては、「古典籍総合目録データベース」がある。このデータベースは、『国書総目録』(岩波書店)全8冊を元にして、江戸時代以前(1868年以前)に日本で成立した古典籍を網羅的に目録化したものであり、古典籍の書誌・所在・翻刻や複製の有無などの情報から、国文学研究資料館が独自に進めてきた“日本古典資料調査”や“マイクロフィルム化”および“デジタル画像化”の成果を統合する形で、成長を遂げており、今回の計画においても、根幹に位置するシステムとなっている。
   しかしながら、当該データベースは、もともと非常に専門性の高い内容を日本語でのみ記述したものであり、国際共同研究ネットワークを構築する上では、多言語対応がきわめて難しい内容のデータベースとなっている。
   そこで、本共同研究では、このデータベースを多言語化するにはどのような手法が最も適当かというきわめて重要な課題を解決すべく、当該データベースのあるべき理想像を先行する形で、実験的データベースを構築し、さまざまな試行錯誤を繰返すことで、本体にあたる「古典籍総合目録データベース」の次期バージョンアップに入れるべき機能や追加システムを提案するものである。


■「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」における典籍の全文テキスト化に関する共同研究

凸版印刷株式会社  ・  国文学研究資料館
TOPPAN PRINTING CO.,LDT.  /  National Institute of Japanese Literature


■古文書および古典籍を対象とした、ブックスキャナの開発に関する共同研究

株式会社PFU  ・  国文学研究資料館
PFU LIMITED  /  National Institute of Japanese Literature


ページTOPへ戻る 



異分野融合共同研究    Interdisciplinary Collaborative Research

文理融合による新たな領域開拓と新たな研究手法の構築を目指す共同研究です。

■古典籍を活用した和漢薬に関する総合研究

富山大学  ・  国文学研究資料館
University of Toyama  /  National Institute of Japanese Literature

研究代表者:伏見裕利(富山大学 和漢医薬学総合研究所 特命准教授)
Representative Researcher : FUSHIMI Hirotoshi (Specially-appointed Associate Professor, Institute of Natural Medicine, University of Toyama)


■オーロラと人間社会の過去・現在・未来<総合研究大学院大学学融合共同研究採択課題>

国立極地研究所  ・  京都大学  ・  総合研究大学院大学  ・  国文学研究資料館
National Institute of Polar Research  /  Kyoto University  /  SOKENDAI(The Graduate University for Advanced Studies)  /  National Institute of Japanese Literature

研究代表者:片岡龍峰(国立極地研究所  研究教育系・宙空圏研究グループ  准教授)
Representative Researcher : KATAOKA Ryuho (Associate Professor, Space and Upper Atmosphere Science Group, National Institute of Polar Research)

【ホームページ Homepage】
オーロラ4Dプロジェクト



歴史的典籍NW事業へ 


↑ ページの先頭へ