所蔵資料紹介

菅原道真集切(すがわらのみちざねしゅうぎれ)

 

【解題】
[請求記号 99−108]
極札:ナシ。ただし裏面に「御子左為家卿」という墨書あり。
書誌:21.9×14.6センチ 梅花紋雲母刷唐紙 マクリ
伝称筆者:藤原為家
書写年代:鎌倉時代後期頃

『菅原道真集』の断簡である。有吉保氏『新古今和歌集の研究 続篇』によって「既に紹介されているどの諸本とも異なる道真集の存在を示」すものと指摘されている伝冷泉為相筆断簡(MOA美術館蔵手鑑『翰墨城』所収)の 新出のツレ。記載歌は1・4首目が『新古今集』に、2首目が『拾遺集』『大鏡』ほかに、3首目が『続後撰集』にそれぞれ掲載されており、いずれも作者は道真である。

現在ツレはもう1葉、狩野探幽筆『騎馬菅公図』貼付のものが知られている。こちらの記載歌は有名な「東風吹かば」「流れゆく」の2首、その断簡に触発されて探幽が道真像を描いたという逸品中の逸品である(東京国立博物館展示図録『天神さまの美術』112に図版掲載)。

当該『菅原道真集』が、『新古今集』巻18雑下巻頭の道真歌群の出典だった可能性は決して少なくなさそうである。また『大鏡』に「折々の歌書きおかせたまへりける」とあり、藤原定家筆『集目録』に「菅家」とある作品との関連も注目されよう。

【翻刻】
みはまとはれしよるへありやと
あめのしたのかれぬ人のなけれはや
きてしぬれきぬひるよしのなき


かりかねのあきにときくはことはりそ
かへるはるさへなきかゝなしさ


はなとちりたまと見えつゝあさむけは

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