所蔵資料紹介

潮干のつと(しおひのつと)

【解題】
[請求番号 ナ2・385]

寛政元年(1789)刊 1帖
27・3×19・4センチ。狂歌絵本。
朱楽菅江〈あけらかんこう〉編、喜多川歌麿〈きたがわうたまろ〉画。江戸 蔦屋重三郎〈つたやじゅうざぶろう〉版。原表紙は濃紺無地に金泥で姫松と草を描く。原題簽存。1丁欠で、全9丁。

潮干狩りの土産に擬し、貝を題材に、当時の狂歌師三六人が歌仙の趣で作詠した狂歌36首に、喜多川歌麿が精緻な絵を添えたもの。菅江ひきいる朱楽連〈あけられん〉の主要メンバーが肝煎的役割を果たしている。入念な彫摺技法は、この種の絵入狂歌絵本の最高水準を示し、『画本虫撰〈えほんむしえらみ〉』・『百千鳥狂歌合〈ももちどりきょうかあわせ〉』等と並ぶ歌麿の代表的絵本の一つである。

大英博物館所蔵本には、本文狂歌の所に紫色の波形があり、中段に砂子が蒔かれる。最後の貝合わせの場面では、手ぬぐいの影が障子に映る。但しこれは『喜多川歌麿展』(1995年・千葉市美術館・浅野秀剛氏)では「第二版」とされる。「第一版」とされるものは、波形も砂子も手ぬぐいの影もなく、下部は全体に緑色が強い。掲出本は褪色がかなり進んでいるが、下部に砂子が蒔かれ、手ぬぐいの影がない。

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